Starship Technologiesを創業したのは、Skype創業者のAhti Heinla氏とJanus Friis氏の2人だ。本拠はロンドンだが、開発チームはエストニアのタリンにいる。創業は2014年で、既にこれまで何台ものプロトタイプを開発し、65台のロボットを16カ国58都市で走らせている。走行総距離は1万3930マイル(2万2400キロ)だ。シリコンバレーでは、パロアルトでテスト走行を行い、レッドウッド・シティーではパイロットプログラムが進行中のようだ。
既に自動運転車が路上を走っているのだから、こんな小さなロボットが町中を自走することなど簡単なはずである。とは言うものの、小型ロボットにはそれなりの挑戦がある。難しいのは、人が歩くような道には交差点や横断歩道などがあり、その一方で自動運転車並みのテクノロジーを搭載しようとすると、かなり高価になってしまうことだ。
難しいところは人間が担当
そこでStarship Technologiesは、道を渡るといった難しいところは人間が遠隔から操作し、それ以外のところはロボットの自走に任せるという分担をしている。ロボットと人間がそれぞれに得意部分を担うわけだ。考えようによっては、出前の仕事は取り上げてしまうが、別の仕事を生み出すロボットということになるだろうか。
また、ナビゲーションにはGPSを利用するのではなく、あらかじめロボットに特定地域の地図を覚えさせ、ロボットのカメラが捉える周辺の様子と照合して位置を特定する。この方がGPSよりも安定性も信頼度も高いという。
同じようなラストマイルデリバリーをするロボットを開発する会社は、サンフランシスコにもある。こちらの会社米Dispatchには、著名なベンチャーキャピタルである米Andreessen Horowitzも投資している。ドローンによる空路配達も期待されているが、恐らくこの地上走行ロボットの方が早く実用化されて広まりそうだ。
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