米カーネギーメロン大学出身のロボット研究者が開発した玩具ロボット「Cozmo」が話題だ。子供だけでなく大人、特にAI(人工知能)やIoT(Internet of Things)に興味がある技術者や研究者も注目している。日本でも2017年9月にタカラトミーが販売を始めた。ほかの玩具ロボと何が違うのか。
Cozmoはユーザーと「友達」になり、会話やゲームなどのコミュニケーションを通じてユーザーを楽しませてくれるという玩具ロボットだ。Cozmoは内蔵カメラで撮影した画像からユーザーの顔を認識し、遊んでいる相手が誰かを記録。遊べば遊ぶほど、ユーザーに懐いているかのような動作をする。
Cozmoは液晶モニターの顔を備えていて、そこには感情を表す様々な表情がアニメーションで表示される(写真1)。アニメーションはハリウッド映画スタジオから引き抜いたアニメーターが作成したもので、Cozmoと遊んでいると、ハリウッドのロボット映画の中に入り込んだような気分になる。
Cozmoは付属する「キューブ」を使ったゲームが大好きで、ユーザーにはしばしばゲーム対決をねだってくる(写真2)。例えば「早押し対決ゲーム」では、ランダムに色が変わる二つのキューブを並べ、二つのキューブの色がそろった時に、キューブのボタンを押す。先にボタンを押した方の勝ちとなる。Cozmoはキューブの色を注意深く観察し、色が一致したらアームを使って素早くボタンを押す。Cozmoがユーザーに勝利すると、歌いながら踊って喜びの感情を表す。
動き回って遊ぶのも大好きで、放っておくとテーブルの上などを自律的に動き回る。テーブルから落ちてしまう心配は不要だ。カメラや赤外線センサー、ジャイロセンサーなどを使って周囲の状況や自身の体勢を把握している。テーブルの端に到達すると、ビクビク震えるなど「怖そう」な仕草をしながら引き返す。
画像認識はOpenCV、感情AIも搭載
まるで子供のようなCozmoだが、搭載するソフトウエアは本格派。ソフトウエアのコード行数は180万行にも達するという。「Cozmoは、よくあるロボット風のオモチャではない。オモチャとして遊べるロボットであり、本格的なAIを搭載している」。Cozmoの開発元、米AnkiのHanns Tappeiner社長はそう語る(写真3)。
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