O'Brien氏はOrbital Insightのようなスタートアップが成立できるようになった背景として、「民間衛星会社の台頭」「深層学習をはじめとするAIの進歩」「クラウドコンピューティングの登場」の三つを挙げた上で、「クラウドのパワーは本当に素晴らしい」と力説する。

 「データの収集や解析に使用するITインフラストラクチャーには『Amazon Web Services』を全面的に採用している。ITインフラに一切投資をせずに、30年分でも衛星写真を保存できるようになった」(O'Brien氏)からである。

ドローンや気球で広がる大規模写真解析の可能性

 Orbital InsightのようなAIスタートアップが活躍する領域は、今後は飛躍的に拡大する可能性がある。鍵になるのがドローンだ。

 米Googleや米Facebookは現在、携帯通信網が整備されていない発展途上国に、携帯基地局設備を搭載した気球やドローンを展開することで、格安のインターネット接続を提供するという計画を推進している。Googleの気球は「Project Loon」、Facebookのドローンは「Aquila」という名称だ。

 こうした携帯通信網用のドローンや気球は、航空写真の撮影もできる。GoogleやFacebookの計画が実現した暁には、航空写真を使ったビッグデータ解析が、これまでよりも圧倒的に大規模かつ高頻度に実行できる時代が到来するだろう。

 Orbital Insightは2017年11月1日にアビームコンサルティングと提携を発表し、アビームが「ABeam Cloud」のラインナップの一つとして、Orbital Insightのサービスを提供するとした。また2017年11月15日には伊藤忠商事とスカパーJSATが、Orbital Insightのサービスの日本での販売代理店契約を結んだと発表した。衛星写真の解析は、これから日本でも盛んになりそうだ。