サーバーハードウエアに関しては、Microsoft Azureを2008年に開始して以来、毎年のように新しいサーバーハードウエアを同社が開発し続けてきたことを明らかにした。

 Microsoft Azureに初めて導入された自社開発サーバーは「Gen 2(第2世代)」という名称で、同社がAzure開始以前からサーバーを自社開発していたことを示唆している。Gen 2はプロセッサコアを12個、メモリーを32ギガバイト搭載し、ストレージはハードディスク、ネットワークインタフェース(NIC)は1ギガビット/秒だった。

SAP HANA用に巨大サーバー「Beast」

 「Gen 3」からストレージはハードディスクとSSDの併用となり、NICも10ギガビットへと進化。その後はHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)用の「HPC」、NICが40ギガビット/秒になった「Gen 4」、メモリーを512ギガバイト搭載する「Godzilla」、FPGAを搭載する「Gen 5.1」、GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を搭載する「GPU Gen 5」などを次々と搭載。

 最近では「Beast」と呼ぶプロセッサコアを120個、メモリーを4テラバイトも搭載するモンスターマシンまで開発している。Russinovich氏によればBeastは、「SAP HANA」や「Microsoft SQL Server」といったデータベースを運用するのに特化したハードウエアなのだという。

 巨大パブリッククラウドというと、誰にでも手に入れられるコモディティ(日用品)のサーバーハードウエアを使い、サーバーの台数を増やすことでシステムの性能を増強する「スケールアウト」を指向していると思われがちだが、Microsoft Azureでは巨大なハードウエアを使用する「スケールアップ」の手法も使用していることが明らかになった。

 現時点での最新ハードウエアは「Gen 6」で、これはMicrosoftがOpen Compute Project(OCP)にハードウエアの設計図をオープンソースとして寄贈した「Project Olympus」と同じものだという。OCPは米Facebookが主導して始まったデータセンターハードウエアのオープンソース化団体だが、最近はMicrosoftや米Google、米Appleなども参加している。Project Olympusは米Intelや米AMDのサーバープロセッサだけでなく、英Armのアーキテクチャを採用したARMサーバープロセッサが搭載できることでも知られている。

 サーバーファームウエアの改ざんなどを防ぐセキュリティチップも独自に開発している。名称は「Cerberus」で、サーバーで使用するあらゆるパーツのファームウエアにデジタル署名することで、これらの改ざんをできなくする。同様のセキュリティチップはGoogleも開発している。