シリコンバレー企業は現在、IT業界で成し遂げたアンバンドリングを、自動車産業や金融業、物流業、広告・メディア業、農業などさまざまな産業領域で再現しようとしている。

車載機器が後付け可能に

 2016年6月、米Apple出身者が起業したスタートアップ、米Pearl Automationが、自動車の後部ナンバープレートに装着するバックアップカメラ(リアカメラ)を製品化した(写真2)。カメラが撮影した車体後部の画像を、Bluetooth経由でスマートフォンに送信するというもの。バックアップカメラを自動車本体からアンバンドリングし、パソコン周辺機器のように後付けできるようにするのが狙いだ。

写真2●米Pearl Automationが開発した後付け方式バックアップカメラ
出展:米Pearl Automation
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 米IntelもパソコンやPCサーバーの世界でやって来たのと同じ取り組みを、自動車作りでも開始した。同社のBrian Krzanich CEOは2016年8月に米サンフランシスコで開催した「IDF 2016」で、自動運転に必要な車載コンピュータや物体認識技術などの「プラットフォーム」を自動車メーカー向けに提供すると強調した。

 これから主流となる自動運転車に欠かすことのできないプラットフォームを提供することで、誰もが、パソコンのように容易に、自動運転車を組み立てられるようにすることが狙いだ。

 スタートアップやプラットフォーム提供者が仕掛けるアンバンドリングの動きと、それに呼応した既存の巨大企業によるスタートアップへの出資や買収。IT業界で過去数十年にわたって繰り広げられてきた構図が、いよいよ自動車産業でも始まっている。そしてその動きの中心は、シリコンバレーなのだ。