Ellison会長によるAWS批判は、専ら数字に基づいた「定量的」なものだったが、数字に基づかない「定性的」な批判もあった。印象的だったのが、Amazon Redshiftがオープンソースソフトウエア(OSS)のRDBである「Postgres」をベースに開発され、Amazon AuroraがOSSのRDB「MySQL」との互換性をうたうのに対して、「AWSはRedshiftやAuroraをオープンソースにしていないし、PostgresやMySQLのOSSコミュニティーに貢献もしていない」(Ellison会長)と批判した点。

 OSSではないプロプライエタリ(独自)ソフトの雄であるOracleだが、2009年にSun Microsystemsを買収して手に入れた「MySQL」や「Java」に関しては、オープンソースを維持し続けている。Ellison会長が“OSS側の立場で”AWSを批判したわけだ。

AWSは「IBMのメインフレーム」

 かつてEllison会長が対抗心をむき出しにする相手と言えば、米IBMや米Microsoftといった長年のライバル達だった。それに対して今回は、Oracleが劣勢にあるクラウドだけでなく、Oracleが市場シェアでトップを維持するDBに関しても、一貫してAWSだけをやり玉に挙げた。

 象徴的だったのはEllison会長による「AWSはIBMのメインフレームよりクローズド(閉鎖的)だ」という発言(写真3)。

写真3●AWSをIBMメインフレームに例えるEllison会長
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 独自仕様の塊だったIBMのメインフレームにも「富士通や日立製作所などの互換機があった」(Ellison会長)のに対して、AWSにはRedshiftやAuroraが稼働する互換クラウドすら無いという主張だった。しかし、AWSのことを1980年代までIT業界を支配したIBMのメインフレームに例えている時点で、AWSがOracleにとっていかに脅威であるかを示したと言えるだろう。