米調査会社のSynergy Research Groupは7月27日、2016年4~6月における「クラウド・インフラストラクチャー・サービス」の市場シェアが、Amazonは34%、Microsoftは11%、IBMは8%だったと発表している。Synergy Research Groupが定義するクラウド・インフラストラクチャー・サービスは、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、ホステッド・プライベート・クラウドの合計だ。

クラウド市場でシェア拡大はAWS、MS、Googleの3社

 Synergy Research Groupによれば過去12カ月に、Amazonの市場シェアは1ポイント、Microsoftの市場シェアは3ポイント、Googleの市場シェアは1ポイント増加したという。それに対して米IBMの市場シェアは横ばいだった。クラウド市場では、Amazon、Microsoft、Googleの3社が好調で、それ以外は市場平均を上回る成長を実現できていないのが実情だ。

 IBMの業績は依然として厳しい。売上高は192億8900万ドルで前年同期比4.7%減、純利益は23億3100万ドルで同6.9%減だった。減収は21四半期連続となった。クラウド事業は同17%増加しているというが、前述の通りクラウドインフラ市場ではシェアを伸ばしていない。

広告や小売、運輸で稼ぐITの「メーカー」

 17年4~6月期決算で総じて言えるのは、テクノロジーを他社に販売している「ITベンダー」よりも、テクノロジーを使ってビジネスをしている企業の方が業績が好調であることだ。AlphabetやFacebookは広告で稼ぐ会社であり、Amazonの本業は小売業だ。

 広告会社や小売り会社とITベンダーを比較するのは妥当ではない、という見方もあるだろう。しかしAlphabet、Facebook、Amazonはいずれも、データセンターで使用するハードウエアやソフトウエアを自社で開発している。そういった点でこの3社はハードウエアメーカーでありソフトウエアメーカーである。表1で取り上げたのはいずれも「メーカー」であり、自社で開発したテクノロジーを他社に売っているのか、自社のために使っているのかという違いがあるだけだ。

 AppleのTim Cook CEOは決算発表時の電話会見で、同社が「自律(Autonomous)システム」に注力していると語った。Appleが自動運転車を開発し、それを基に運輸サービスを提供するとの見方が根強い。Appleは既にカリフォルニア州で自動運転車の公道テストを実施する許可を得ている。

 Appleがもし運輸サービスに参入すれば、同社もまた自社で開発したテクノロジーを自社の事業のために使うメーカーとなる。ITベンダーとユーザー企業という枠組みが融解し、テクノロジー企業という呼称だけが存在する時代が近付いている。