クラウドコンピューティングとスマートフォン。どちらも登場してまもなく10年がたつが、事業の成長率は正反対となった。米IT大手が2016年7月に発表した16年第2四半期決算(表1)では、各社のクラウド事業が急成長を遂げた一方、スマホの苦戦が浮き彫りとなった。

表1●米IT企業の2016年4~6月期決算(米ドル)
*1:AWSは営業利益、*2:2016年8月1日時点
米Alphabetの本社キャンパス

 16年第2四半期決算ではついに、米Googleの親会社である米Alphabetの売上高が米Microsoftを上回った。Alphabetの16年第2四半期業績は売上高が215億ドル(前年同期比21.3%増)、純利益が48億7700万ドル(同24.1%増)。一方のMicrosoftは、売上高が同7.1%減少して206億1400万ドルとなった。前年同期はリストラ費用を計上して赤字だった純利益は、30億8000万ドルの黒字に転換した。

 Alphabetの部門業績は、Googleの広告事業が前年同期比19%増収、クラウドなどを含む「その他」が33%の増収だった。Googleの広告事業が依然として順調に成長していることが分かるが、そのGoogleを上回る勢いで成長しているオンライン広告事業者がある。米Facebookだ。Facebookの16年第2四半期決算は、売上高が同59.2%という驚異的な増加を見せて64億3600万ドルとなり、純利益も同185.8%増加して20億5500万ドルに達した。

AWSとMicrosoftクラウド事業が「年間売上高100億ドル」へ

 米Amazon.comのクラウド事業部門「Amazon Web Services(AWS)」の成長も驚異的だ。AWSの売上高は前年同期比58.2%増の28億8600万ドル、営業利益は同135.4%増の7億1800万ドル。Amazon.comの利益のほとんどをAWSが稼ぎ出している。

 Amazon.comが決算発表時に公開した資料によれば、2015年7月~16年6月までの12カ月におけるAWSの売上高は99億ドル。僅かに100億ドルに届かなかったが、これでAWSの2016年1~12月期の通年で見た売上高が100億ドルを突破するのは確実になった。

 クラウド事業の成長率は、各社とも高い(表2)。Microsoftは「Microsoft Azure」や「Office 365」の個別売上高を発表していないが、Azureの売上高は前年同期比102%増加、Office 365の売上高は同54%増加したとする。またMicrosoftは、AzureやOffice 365、「Dynamics Online」などパブリッククラウドの2016年6月の単月売上高を12倍にした「Annualized revenue run rate(年間ベースの売上高)」が、121億ドルに達したと主張している。

表2●各社の2016年4~6月期のクラウド事業の動向(米ドル)
*1は2016年3~5月期、*2は2016年2~4月期