その1社はLiDAR技術を利用したマッピング技術開発の会社「510 Systems」で、開発したハードウエアをGoogleに販売していたが、その後Googleが同社を買収した。

 もう1社の「Anthony’s Robots」は、トヨタのプリウスにLiDARを搭載して自動運転車に改造する会社で、これもGoogleに売却した。いずれのケースも、Googleに勤務しながらGoogleと競合する技術を開発して、会社ごとGoogleに売りつけるやり方に見える。

 さらにもう1社の「Tyto」という会社についても、Google社内で同社を買収する検討まで行われた。しかし、レバンドウスキー氏はその検討チームに加わっていたにも関わらず、Tytoに自身が関与していたことをGoogleには明らかにしなかったという。Tytoはその後、レバンドウスキー氏自身が起業したOttoに買収されている。

 問題の1万4000件のドキュメントは、同氏がGoogleを辞める前にダウンロードしたものとされる。その頃、既に同氏はOttoを起業する準備に入っていて、Googleを辞めたのは、1億2000万ドルものボーナスが支給されたすぐ後だったという。何とも着々と計画を練ったという感が拭えない。

Ottoは設立わずか3カ月でUberに買収

 レバンドウスキー氏がGoogleを辞めたのは2016年1月、Ottoの正式な設立は同年5月。Uberが6億8000万ドルでOttoを買収したのは同年8月で、起業からたった3カ月後のことだった。90人ほどの社員がいたとされるが、投資も受けず製品も無かった状態での買収だった。その後、レバンドウスキー氏はUberの自動運転車開発のトップに就いた。

 Googleから独立したWaymoが2017年2月にUberを提訴した後、レバンドウスキー氏は4月にUberにおける自動運転車開発プロジェクトのトップを外されていた。そして今回の解雇につながる。

 2003年に「学生にして、すでにベテランのビジネスマン」とレバンドウスキー氏を取り上げたUCバークレーの大学新聞には彼を評してこうある。「これまで狙い定めたことは全て達成してきた。自信に満ちているが、それは傲慢さなのではなく、ちょうど優れたアスリートのようにミリ秒単位で速度を上げていける人間だからこそ。走ることを決して辞めない」。

 行きすぎた熱意なのか、それとも自分を利するために動いた結果なのか。それがこれから明らかにされるだろう。