今回のGoogleの取り組みは、量子ゲート方式の使い道である量子シミュレーションの対象を量子アニーリングに適用するもの。量子ゲート方式の使い道を組み合わせ最適化問題に広げたといえる。Googleは量子ゲート方式を使用することで、既存の量子アニーリング方式が抱える性能上の課題を解決できると主張している。

Googleによる独自ハードウエアの成果

 今回の実験では、Googleが独自に開発したハードウエアを使用した。Googleは2013年にD-Waveの量子アニーリング方式の量子コンピュータを導入した一方で、2014年9月から米カリフォルニア大学サンタバーバラ校のJohn Martinis教授のチームと提携し、量子ゲート方式の量子コンピュータの独自開発を始めていた(関連記事:米グーグル、量子コンピュータの独自開発に乗り出す)。

 Martinis教授らと開発したハードウエアでは、「0」と「1」が「重なり合った状態」で同時に存在する「量子ビット」を超伝導回路によって実現している(写真)。超伝導回路はサファイア基板の上にアルミニウムの層を形成して製造したもので、9個の量子ビットが一列に並んでいる。

写真●Googleが開発した量子ビット
出典:米Google
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 Googleは量子ゲート方式で量子アニーリングをシミュレーションすることによって、既存の量子アニーリング方式が抱えていた「量子ビットの接続の問題」を解決できると主張している。