あからさまな人種差別ではなくても、Airbnbのホストがユーザーによって予約を断るケースは、よく起こっているようだ。実際に自宅をAirbnbで貸している知人は、「何となくトラブルを起こしそうな人」が予約してくると、別の予約が入ったと言って断ることがあると言っていた。

 日本のホテルや旅館は法律(旅館業法)によって、宿泊拒否が厳しく制限されている。しかしAirbnbの場合、何と言っても貸すのは個人の持ち家だ。ことに同じ家にホストも住んでいる場合なら、安全を第一に考える気持ちは分からないではない。

差別のないプラットフォームを

 先のハーバード大学の調査では、差別のないプラットフォームをデザインする方法があるとしている。一つは、予約者が実名ではなくユーザーネームで申し込みができるようにすること。もうひとつは、既にAirbnbにある「インスタント予約」を拡大すること。これは、予約者のプロフィールが詳しく分からないままに予約が完了できる機能だ。

 おかしなホストから、利用者を保護する仕組みも必要だろう。いくらプラットフォームの工夫があっても、差別に関するユーザーの懸念は決してゼロにはならないからだ。、今回中傷を浴びせられた女子学生は、この段階で相手の実態が分かって良かったとも述べている。もし、何も知らないで泊まりにいったら、もっと危険な目にあっていたかもしれないからだ。

 Airbnbの例ではないが、以前レズビアンの女性に話を聞いた時、旅行する際にはかなり注意してホテル選びをすると言っていた。彼女にはパートナーと子供を含めた家族があり、身の安全のためにLGBTフレンドリーだと分かっているホテルにしか泊まらないという。残念ながら現状のAirbnbでは、利用者側が同様の自衛策を採るしか無い。

 Airbnbは、もともと「誰もがそこに属しているという感覚を持てるような世界を作りたい」という大きなビジョンを持って創設されているのだが、実態は必ずしもそうはなっていない。それが改めて明らかになった。