さらにGoogleは2016年5月17日に、カープールサービス「Waze Rider」を始めると発表した。カープールとは相乗りのことで、同じ方向へ向かう人が1台の車に乗り合わせていくことだ。

 1台の車にドライバーが1人しか乗っていないような自動車通勤は、エネルギーの無駄遣いが甚だしい。そこで米国の自治体はこれまでも、カープールを盛んに勧めていたのだが、実際にはなかなかうまくいっていなかった。

 最近は「Uber」や「Lyft」などのライドシェアサービスもカープールを始めているし、カープールに特化したサービスもいくつかある。だが、Waze Riderはこれらの先行するサービスとは異なった面白いモデルになる可能性がある。

 なぜならWaze RiderはWazeという信頼度の高いユーザーコミュニティーの中で行われるカープールだからだ。UberやLyftのカープールは、サンフランシスコなどにタクシーとしての営業に向かう車に通勤客が乗り込むというもので、他人同士が相乗りするというものになる。純粋なカープールのサービスの場合は、カープールを提供するドライバーの車にやはり他人同士が相乗りする。

GoogleやAdobeなどの社員向けに試験提供

 一方のWazeの場合は、既に築かれたユーザーコミュニティーの中で相乗りが行われる。またWaze Rideのテスト運営は、まずはベイエリアの複数の企業の社員を対象に相乗りが行われる。対象になる企業は、Google、米Adobe Systems、Walmartのeコマース部門など、IT関連企業が中心だ。全くの赤の他人同士ではなく、同僚や同じような立場の人々と乗り合わせる。安心感と、相乗りする相手はどこの企業のどんな人だろうという好奇心が、警戒心を上回るだろう。

 またドライバーも、運転を商売にするのではなく、同じ方向へ通勤する人物となる。カープールの利用者はドライバーに対して、マイル辺りで算出したガソリン代を支払うだけで、報酬は支払わない。

 オンラインコミュニティーの中で、こうしたリアルなサービスが提供されるのは、これまでになかったモデルだろう。ちょっと興味深い動きと感じられる。