例えば、同社製品をもっと幅広い消費者に広めようとして発売した廉価版のカメラは、スマートフォンのカメラとの差異化が十分でなく不発に。新製品の「Hero5」は出荷遅れとなった。さらに極め付きが、GoProカメラが搭載できることを売りにした新製品のドローン「Karma」が、2016年10月の発売後すぐにリコールされたことだ。ドローンが墜落する画像がいくつも投稿され、ドローン市場に新たに乗り出したGoProのブランドに傷をつけてしまったのだ。

写真1●GoProのドローン「Karma」
出典:米GoPro
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 GoProは今、こうした痛手から復活を図っているところである。上述のメディア部門を閉鎖して人員を整理し、ドローンは再発売している。また、古いGoProカメラを最大100ドルで買い取る「Trade Up」プログラムにも手を出した。

写真2●買い取りプログラムの告知サイト
出典:米GoPro
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 同社の弱みの一つは、一度商品を買ったユーザーがそうしょっちゅう新製品に買い替えることがないという事実だった。それを買取によって、高性能の新製品が売れる道を開いたのだ。これは、販売面でのサービスの工夫という同社にはなかった視点で、株主らからは評価されているようだ。

 GoProはこうして本来の強みに回帰しようとしているわけだが、市場環境は決して楽観できるものではない。競合製品も出てきた上、最近は360度カメラやVR(バーチャルリアリティー)など、映像の楽しみ方も激変している。すごいスポーツ映像も、嫌という程溢れている。

 GoProのケースは、ある意味成功しすぎたあまりに次世代の技術開発が遅れたという例だろう。どんなに優れたアイデアであっても、数年もすれば陳腐化し、消費者はにべもなく飽きてしまうということでもある。どのシリコンバレー企業にとっても大きな教訓になる例だろう。