米Facebookが2017年3月27日(米国時間)に「タウンホール」という機能を追加した。英語で市役所・町役場という意味で、地方議会の議員に連絡し要求を伝えられる。2016年の米大統領選で「フェイクニュース(偽ニュース)」を拡散したと批判された同社が、早くも動き始めた。

 Facebookのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は2月に「グローバル・コミュニティを構築するために」という文章を発表し、これまでは友達や家族をつなげてきたFacebookが、今後はそのプラットフォームをより良い市民社会の構築にも提供すると宣言していた。今回発表したタウンホールの機能は、それを具現化するものの一つだと見られている。

 タウンホールの機能はこれまでのFacebookの機能とは色合いが異なるので少々驚いたが、Facebookの路線修正のスピーディーさには感心した。Facebookがフェイクニュースの拡散に図らずも加担したと批判されたのは僅か数カ月前のことだ。このスピードこそ、まさにシリコンバレー的だ。

 タウンホールは、Facebookのページからアクセスできる(写真1、2)。住所を入力すると地元の市議会議員の情報などを得られるまで出てくる。住所を入力しない場合は、地元州の知事や副知事、州議会議員などのリストが顔写真入りで表示され、フォローしたり直接コンタクトが取ったりできる。

写真1●「タウンホール」の住所入力画面
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写真2●近隣の議員の連絡先が表示されたところ
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 もちろん、ここに表示されるのはFacebookにアカウントを登録している議員に限られている。また、連絡を取る方法も、電話、メール、テキストメッセージなど、彼らが自分のFacebookページに公開しているものしかない。それでも、政治活動が活発になっている中で、Facebookがそうした政治活動をサポートするツールになろうとしているのがよく分かる。タウンホールには、選挙日もリマインドしてくれる機能もある。

 大統領選期間中にFacebookはフェイクニュースが行き交うプラットフォームとなっただけでなく、同じ意見を持つ人々だけが結集して、結果的に自己強化的な環境を提供してしまった。英語で「バブルの中(stay in your bubble)」と表現されるが、要は自分と同じ意見の人たちばかりの中にとどまり、外側が見えなくなるような状況を作り上げてしまったのだ。