米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)が発表したマニフェストが話題になっている。2017年2月16日(米国時間)に公開した5800字にも上る長文には、「グローバル・コミュニティーを構築するために」という壮大なタイトルが付けられており、その真意の解釈も様々に広がっている。

写真●米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEO
撮影:中田 敦
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 マニフェストはかいつまんで言えば、Facebookが「より良い社会のためのインフラ」となることを目指していると宣言するものだ。トランプ米大統領の名前は一言も出て来ないが、明らかに新政権の政策に対する危惧が背景にあることがうかがえる。「このような時代には」とか「歴史的には似たような時期があった」などという表現がちょくちょく出てくるのも、そのためだ。

 マニュフェストでは、Facebookが「助け合うコミュニティー」、「安全なコミュニティー」、「正しい情報や知識に基づくコミュニティー」、「市民が参加するコミュニティー」、「包容的なコミュニティー」になるためにこれから実施する内容が挙げられている。

 まっすぐに理解すれば、このマニフェストはFacebookの未来は望ましい社会の構築のために役立ててもらうところにあるので、そのように使ってほしいと、改めて定義をし直したようなものだと感じられる。

「ザッカーバーグCEOが大統領選出馬?」という見方まで出現

 だが、人々の読み方はいろいろで、例えばザッカーバーグ氏は「2020年の大統領選に出馬する計画だろう」といったものから、「Facebookの中心ユーザーは必ずしも民主主義の支持者ばかりではない」、「メディアの独裁を築くつもりか」というものまで幅広く、波紋が広がっている。

 この数年来、ザッカーバーグCEOが社会派として目覚めるようなできごとが続いていた。例えば2015年に育児休暇を取ったこと。長女誕生に合わせ父親として2カ月の休暇を取ることを発表。実際には、ザッカーバーグ氏のような恵まれた待遇だからこそ2カ月も休めるというわけだが、象徴的なアピールとしては大きな波及効果があっただろう。

 直近ではフェイクニュース(偽ニュース)の出現が契機だった。米大統領選に際してフェイクニュースがネット上で氾濫し、Facebookがその一端を担ぐ役割をしてしまったと非難された。

 当初は対策に消極的だったザッカーバーグ氏だが、間もなくフェイクニュースがFacebook上で表示されにくくする仕組みを作ってその退治に乗り出した。さらにその後はもっと積極的に大学やNPOと協力して、メディアリテラシーの向上に努めるようになっている。