伏見天皇「筑後切」(鎌倉時代、出光美術館蔵)
左:一休宗純「七佛通戒偈」(室町時代、出光美術館蔵)
中:慈雲飲光 一行書「道在近」(江戸時代、出光美術館蔵)
右:江月宗玩 一行書「賓中主々中賓」(江戸時代、出光美術館蔵)

 改めて振り返ると、小学校で書を学ぶ機会があるのは、とてつもなくありがたいことだと思う。おそらく多くの人は、おとなになっても墨をすずりですり、筆を持って半紙に向かえば、なにがしかの字をそれらしく書くことはできるのではないだろうか。

 ただ、教師にもよるとは思うが、かつて学んだのは、整った文字を書くことだった。絵画のデッサン練習のようなもので、まずは筆を自由に操る必要があるので仕方ないことだともいえる。一方、歴史に残った墨跡が見せてくれるのは、必ずしも整った文字ばかりではない。そんなことを展覧会で感じるのも、悪くない体験だと思う。

展覧会情報
「文字の力・書のチカラIII 書の流儀」
出光美術館(東京・丸の内)、2016年1月9日~2月14日