縮小する着物市場に若者が新風を吹き込む

横浜fカレッジで学ぶ上江州あかりさん(左)がデザインした着物は一着38万円で売られている。横浜の老舗呉服店「いわきや」が商品化した(右は同社専務の我妻あけみ氏)

 「この着物がヒットしたら、パリで一緒に着物のファッションショーをやりましょう」

 横浜の老舗呉服店「いわきや」の我妻あけみ専務は、彼女がデザインした着物を見ながら上機嫌で言った。

 彼女とは岩崎学園の服飾専門学校、「横浜fカレッジ」で学ぶ上江州あかりさん。ファッションライフデザイン科の2年生は校内の着物コンクールで技術部門のグランプリに輝き、そのデザインをいわきやが商品にした。1着38万円で、15着が店頭に並ぶ。

 グランプリの副賞で京都の繊維工場を見学しに行ったら、職人さんが「いいセンスしてるわ。うちにおいで」と誘ってくれた。

 「昔1兆円と言われた着物市場が今は3000億円。若い人にアイデアをもらって盛り上げていかないと」(我妻専務)

 サラリーマン社会の最大の問題は、組織を動かすマネージャーばかりが増え、新たな価値を生み出すデザイナーやエンジニアが減っていることだ。指示を飛ばすコーチや監督はベンチに大勢いるが、ヒットを打つ選手がいない。これでは試合にならない。

 現場でアイデアを出し価値を生むプレーヤーをどう育てるか。実践教育に徹してきた専門学校にこそ、その手本がある。