徘徊老人を見守るアプリを専門学校生が開発

 「優しいプログラムだね」

 2015年5月下旬、東京ビッグサイトで開かれた「ワイヤレスジャパン2015」。大企業が軒を並べる会場の片隅に、彼らのブースがあった。試作機を手にした有名企業の技術者たちは口々に、彼らの「仕事」を褒めた。

岩崎学園の学生たちが徘徊老人を見守るアプリを開発。中央が中心メンバーの石田大貴さん

 彼らとは、学校法人岩崎学園、横浜医療情報専門学校の学生たちを指す。600件が応募した学内のプログラミング・コンテストを勝ち抜いて、ワイヤレスジャパンに出展する権利を勝ち取った。

 プロが褒めた「優しいプログラム」とは、徘徊老人を見守るためのスマートフォン向けのアプリ「お家に帰ろう」である。

 お財布携帯などで使われる近距離無線通信(NFC)のタグを埋め込んだお守りや腕時計をお年寄りに持たせ、道に迷っているお年寄りを見つけた人がそこにスマホをかざすと入所している施設の名前が出てくる仕組みだ。

 アイデアを出したのは2年生の石田大貴さん。母親が介護施設で働いており「何か困っていることはない?」と聞いたら、徘徊老人の話が出てきた。

 「お年寄りは違和感を嫌がりますから、お守りとか腕時計とか、持ち慣れた形がいい。NFCタグなら1枚数十円で買えますから、コストの負担も小さくできます」

 横須賀市内の特別養護老人ホームの協力を得て、実際にお年寄りにお守りを持ってもらう実証実験に入った。横須賀市の高齢福祉課とも組み、市が構築している「徘徊高齢者SOSネット」と連動させられないかを探っている。