経営者やリーダーに求められる物事の捉え方、アイデアの生み出し方、ビジネスに欠かせない思考方法を、グロービス経営大学院の教員が重要なフレームワークから体系的に紹介していく当連載。初回は嶋田毅氏が「クリティカルシンキング」を解説します。
説得力や問題解決力を養いたい、他人の話に惑わされずに自分の考えを持ちたい――そう考えるビジネスパーソンは多いはず。そんな人は「クリティカルシンキング」をマスターするのが早道かもしれません。

(写真=PIXTA)
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クリティカルシンキングとは

 クリティカルシンキングは「正しく考える」ことを目指すスキルで、説得力や問題解決力を養うには欠かせません。パソコンで言えばOSに相当する大事な基礎的素養です。常日ごろから、このスキルを高める努力をしたいものです。

 「クリティカル」はそのまま訳せば「批判的、懐疑的」となります。つまりクリティカルシンキングの本来の意味は批判的・懐疑的に考えることとなります。それゆえ、狭義的には「思考の落とし穴や先入観を十分に理解した上で、物事を客観的に捉え、偏りなく考えていく思考」などとなります。

 グロービスではこの言葉をもう少し広く解釈し、「論理的思考に、コンサルティングファームなどで用いられている実務的な思考の技術を加味した、ビジネスパーソンの思考力のベースとなるスキル。健全な批判的精神もここに含まれる」などと定義しています。つまり批判的精神は持ちつつも、より論理的、合理的に考えるという点を前面に出しているのです。

クリティカルシンキングは思考力のベースとなるスキル
クリティカルシンキングは思考力のベースとなるスキル

 クリティカルシンキングの典型的な要件としては以下の10項目が挙げられます。

 順に見ていきましょう。

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