インターンシップ(就業体験)は今や採用活動のプロセスの1つとなっている。2022年6月のルール改正により、23年4月に大学3年生となる学生から、インターンシップで企業が得た学生の評価などの情報を採用活動にも活用できるようになった。これが今後の新卒採用市場にどのような影響を及ぼすのか。

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

 就職戦線は始まったばかり……と思いきや、4 月1日時点で、24年卒の学生の既に52.9%が内定を得ているというデータがあります(ディスコ「キャリタス就活2024学生モニター調査」調べ)。これは、前年同月(46.5%)に比べ6.4ポイント高く、就職戦線の早期化が見てとれる結果と言えるでしょう。

 政府が主導する現行の採用活動のルールでは、広報活動は3月1日から解禁、6月1日から採用選考活動が解禁、10月以降に内定解禁となっているのになぜ、と思われるかもしれませんが、実際、ルールは形骸化しているのが現状です。

 では企業はどのように学生と接点を持つのかと言えば、大学3年になったばかりの4月からスタートするインターンシップに関する告知です。上記の調査でも、学生の多くがインターンシップに参加した企業から内定を得ています。

 近年、企業に「インターンシップは採用活動」という認識が広がり、インターンシップを通じた学生との早期接触、その後の早期選考が増えているのです。

 就職情報サービス会社、学情の「2024年3月卒業予定者 採用動向調査レポート」によれば、インターンシップを実施している企業は61.7%で、前年と比べ2.0ポイント増えています。特に大学3年の夏、秋開催のインターンシップが増加傾向にあり、反対にそれ以降の開催が減少しているといいます。

 加えて、インターンシップの参加者を通常選考で優遇する企業は36.5%と、前年度の調査から4.4ポイント増えています。それだけ企業がインターンシップを採用活動につなげるものとして重視している証拠でしょう。

募集枠20人に1000人が応募

 インターンシップには大きく分けて「対面」と「オンライン」の2種類があります。対面の場合、受け入れ人数が限られるため、選考があることが多いです。つまり、選考を通過しないと、その会社のインターンシップには参加できないことになります。

 人気企業の場合、インターンシップ自体が狭き門なのです。例えば、日立製作所が22年夏、事務系のジョブ型インターンシップに20人程度を募集したところ、約1000人が応募したといいます。

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