仕事をする上で、多くの人が直面する「英語をなんとかしなくちゃ問題」。新型コロナウイルスの水際対策が緩和されて、海外出張へ行けるようになったり、インバウンド需要が戻ってきたりする中で、今後「英語力」を求められる場面も増えてくると考えられます。忙しい社会人が効率よく、英語学習をするためにはどうすればいいのでしょうか。この連載では、AI英語教材「abceed(エービーシード)」を提供しているGlobee(グロービー)代表の幾嶋研三郎さんに、「効率最大化で挫折しない英語学習」のポイントやコツを教えてもらいます。
中高6年間、英語を勉強しているのに、なぜ英会話に苦手意識を感じるのか
日本人の多くは、中学・高校で計6年間英語を学んでいるにもかかわらず、英語にコンプレックスを感じ、特に日常英会話に苦手意識を持つ人が多くいます。
私自身も、大学受験で英語の勉強に力を入れていたのに、大学で知り合ったネイティブスピーカーと流ちょうに会話ができず、悔しい思いをしました。しかし、それは何もおかしなことではないのです。なぜなら、日本の英語教育は文法や単語などを学び、アカデミックな英文を読めるようになるために設計されているため、日常英会話で使うリスニング力やスピーキング力を学習する機会がほとんどないからです。
そこで今回は、「日常英会話の上達に効果的な勉強法」について紹介します。
日常英会話とビジネス英会話の違いはほとんどない
日常英会話の習得方法について解説する前に、「日常英会話」と「ビジネス英会話」の違いについて整理しましょう。私はこれらの話し方について、「どのように使い分ければいいのか」という質問をよく受けます。結論から言うと、「日本語ほど意識する必要はない」と考えています。
日本語での日常会話とビジネス会話は大きく異なり、敬語は「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」を使い分けなければいけません。友人と上司に対して、同じような口調で会話をすることは、一般的にありえないですよね。
一方で英語は、ビジネス会話のほうが丁寧な表現をすることは多いですが、日本語ほど言い換える必要はありません。それにもかかわらず、日本語の日常会話とビジネス会話のイメージに引っ張られて、「日常英会話よりビジネス英会話のほうが難しい」というバイアスを持っている人が多くいます。
つまり英語を使うシチュエーションを意識するあまりに、「間違った解釈をされない会話をしなければいけない」「TPOに合った表現ができているだろうか」などと考えてしまい、日常英会話に対しても苦手意識を持ってしまうのです。では、日常英会話を向上させるにはどのような勉強をすればいいのでしょうか。
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