「発音」は一生モノのスキルになる
とはいえ、当時の私が取り組んでいたのは、あくまで大学生向けの学習方法です。仕事をしている社会人が普段、勉強する時間を十分に確保したり英語を話す機会をつくったりするのは難しいのが現実です。海外出張や海外企業との打ち合わせなどの機会があり、「英語を話せるようにならないと」と学習意欲に火が付く人もいますが、継続できず、「英語難民」になってしまう人をたくさん見てきました。
特に多いのが、「英単語帳を丸暗記するだけ」の人です。英単語を覚えることはもちろん大切ですが、単語帳を1冊暗記する労力はそれなりに大きなものになります。1冊を暗記した努力と達成感で満足してしまい、次のステップに進めず学習をやめてしまう……というパターンも少なくありません。
しかし、用途別の学習のコツやポイントをつかめば、社会人でも英語をマスターすることは可能です。英語学習は積み重ねが重要なので、私は「短期的に達成しやすい学習目標」を立てて積み重ねていくことをお薦めしています。「短期」というのがポイントです。
例えば、「発音をマスターする」「英語のチャットを毎日する」などがお薦めしたい目標です。
発音のマスターは、集中して学びやすいという理由があります。英語を20年以上学習していても、「LとRの違いが分からない」という人もいるくらい、発音を学ぶことは優先度が低くなりがちです。ただ、英語は子音が24、母音が約15と意外と多くないので集中して学びやすいのです。そして、発音の良さは流暢(りゅうちょう)さにつながり、一度習得すれば一生モノのスキルになります。
英語でのチャットは、出勤時間や休憩時間など、スキマ時間を有効に使って学習することができます。対面の会話とは異なり、分からない単語や表現は、その場で調べてから返信することができるので、自分のペースで学ぶことが可能です。アプリ上でマッチしたネイティブスピーカーとメッセージでコミュニケーションができる英語学習アプリも多くあるので、「英語を話すのに自信がない」という人は、英語に慣れる第一歩として、使ってみてはいかがでしょうか。
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