仕事をする上で、多くの人が直面する「英語をなんとかしなくちゃ問題」。新型コロナウイルスの水際対策が緩和されて、海外出張へ行けるようになったり、インバウンド(訪日外国人観光客)需要が戻ってきたりする中で、今後「英語力」を求められる場面も増えてくると考えられます。忙しい社会人が効率よく、英語学習をするにはどうすればいいのでしょうか。この連載では、AI英語教材「abceed(エービーシード)」を提供しているGlobee(グロービー)代表の幾嶋研三郎さんに、「効率最大化で挫折しない英語学習」のポイントやコツを教えてもらいます。

ビジネス英会話の習得前に、なりたいレベルを知る・設定する

 英語を学習している人の中には、「日常生活に困らない程度の英語力を身に付けられれば十分」と考えている人は少なくないのでしょう。確かに中学英語をマスターするだけでも、ネイティブスピーカーと意思疎通できる程度の日常英会話力を習得することはできます。

 しかし、日常英会話だけでなく、ビジネスシーンで使うような丁寧な表現や専門的で難しい単語を使う「ビジネス英会話」も習得すれば、仕事をする上でさまざまなメリットがあります。

 例えば、転職や昇進の条件に「TOEIC何点以上」という条件を設けられることがあります。一般的に、800点以上のスコアを持っていると「ビジネスシーンで英語を生かせるレベル」とされているので、ビジネス英会話力があれば、自分のキャリアを切り開くきっかけになりうるのです。

 また、グローバルに発信される文献やニュースのほとんどは英語で書かれているため、ビジネス英会話力があれば、一次情報をいち早くキャッチアップできます。その結果、得られる情報量が増えて、仕事の質を高めることにつながります。

 ではなぜ、多くの人はビジネス英会話の習得を避けてしまうのでしょうか。その理由の1つは、自分がどれくらいのレベルのビジネス英会話力を求めているのかを分かっていないからです。

 「この人くらいビジネス英会話をできるようになりたい」というロールモデルを見つけたり、「TOEICでこれくらいの点数を取りたい」などと数字の目標を決めたりと、具体的なゴールを明確にすることで、ビジネス英会話を習得するための学習方法や自分に足りていない部分が見えてきます。

 そこで今回は、「ビジネス英会話を習得する上で大切なポイント」について解説します。

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

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