20代相当だった体が実年齢に「老化」した
私(森田起也さん)は、早稲田大学在学中の20歳からトライアスロン競技を続けています。35歳で2008年の日本選手権(東京・お台場51.5km)に出場して44位で完走、22年には当時48歳でとちぎ国体トライアスロン競技の千葉県代表補欠(正選手2名+補欠1名)になりました。17年から19年まではパラトライアスロンの視覚障害クラス(合計25.5km)の秋葉慈朗選手のガイド(伴走者)として、東京パラリンピック2020の日本代表入りにも挑戦していました。


会社はかつて存続の危機もあったのですがなんとか乗り越え、近年から事業拡大に入ることができました。このタイミングで「トライアスロンなんてやめて仕事に集中したら?」と仕事の関係者からアドバイスされました。私も以前から、トライアスロンに投入しているエネルギーをすべて仕事に注いだらどうなるかを見てみたいという気持ちもあり、22年9月にトレーニングをやめてみました。
すると2週間くらいで「あれっ?」と思うことが出てきました。何かおかしい。
以前は朝は5時ごろ自然に目覚め、夜12時くらいでも集中して仕事ができました。睡眠は5時間くらいでも平気でした。それが、やめてみたら、朝の目覚めが悪い。7時間寝てもスッキリしない。トレーニングの疲労がないのに、ハードに仕事ができない。夜もすぐに疲れてしまう。
2カ月くらいたつと、明らかに体力が落ちました。結果的にトレーニングをやっている時に比べて、長い時間、高い集中力を保っていられなくなり、仕事の質と量の両方が下がってしまいました。
「これが49歳の体なのか」と理解しました。今まで健康診断の数値はずっと20代相当で、20代の頃と同じくらい動けていたんです。それもトライアスロンを続けていたからだったんですね。トライアスロンをやめたら、49という年相応の体になったわけです。
「やめてみたら」とアドバイスしていただいた方に、「やっぱりトライアスロンをしたほうが仕事ができるみたいです」と報告して、11月からトレーニングを再開しました。
一度49歳の体になってしまった自分は、20代相応に戻れるのか。初めは自分の感覚よりタイムは遅く、心拍数も思うように上がりませんでした。日常生活では筋肉痛が続いて階段を上るのが少しつらかったです。体力が落ちるより、以前に戻すほうが、ちょっと時間がかかりますね。でもめげずに続けていると、いろいろ思い出してきます。
今は再開して1カ月半くらいたちますが、気がついたら体が動くようになっていて、仕事の調子も上がってきました。夜遅くなっても集中が続きます。まだ睡眠は長めにとる必要がありますが。
面白かったのは、「やっぱりトレーニングが必要だと身をもって体感しました!」とSNSに投稿してみたら、「私もです!」というコメントが次々と来たんです。運動しないほうが逆に疲れてしまうのが49歳なんだと分かりました。私の長年の謎も解けました。(笑)
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