パワハラを怖がる必要はないのよ
距離が近くて相手より立場が上だと、結果的に「支配」のような関係になってしまうんですね。部下は職場の上司として接しているのに、家族のような距離感でものを言われたら、ビックリしますよね。自分の認識とのズレがパワハラだと言われる要因になります。このようなリーダーは、やはり発言や行動を変えなければいけません。
リーダーの皆さんは、いま一度、部下への距離感を見直してみるのもいいでしょう。例えば、親しい友人を誘うノリで部下に「飲みに行こうぜ」と言うのはちょっと配慮が足りないかもしれませんね。部下は、上司の誘いはなかなか断れません。それなのに、「こいつ、いつも俺が誘ったら飲みに来てくれるから、俺になついていてかわいいな」と勘違いしている可能性もあります。
上司は立場上、部下がノーと言えないかもしれない、という自覚を持っておく。それだけで部下の誘い方もきっと変わってくるはずです。例えば、「もし予定があれば断ってもいいよ」というフォローがあると、部下の受け取り方も違ってきます。上司の皆さんだって、部下に無理に飲みに来てほしいわけでもないでしょう。
距離感さえ間違えなければ、無自覚のパワハラを怖がる必要はありません。もし指摘されたら、事実確認すればいいだけ。できれば、社内で何が問題行為なのか、その定義は明確にしておいたほうがいいと思います。それさえ認識していれば、ビクビクする必要はありません。堂々と部下と接してください。

取材・文=尾越まり恵
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