「喜びポイント」を変えていかないとしんどい

紫乃ママ 本当に今までと同じ収入がこれからも必要? みんなそこの計算がけっこう雑なんですよね。生活レベルが変わることに対して恐怖感があるけど、今、それを維持するために犠牲にしてることが山ほどあるでしょうって。どんなに会社にしがみついたって、55歳を過ぎたら大きく変化するのが当たり前なんだから。自分の「喜びポイント」を変えていかないと、しんどいんじゃないですか。

高梨 確かに……僕自身は全然お金を使わないんだけど、子どもが病気がちで。子どもにはしっかりとお金を残してあげたいと思うんですよね。

紫乃ママ なるほど。でも子どもに残せるものってお金だけじゃないでしょう。それに、会社に与えられるmustではなく、ご自身のwantも踏まえた「生業(なりわい)」っていうものを始めて、それを長く続けられれば、将来的には、例えば子どもと一緒に働ける可能性だってあるじゃない。少し先を見て給与所得者じゃない道だって見えてくるかもしれない。そこらへんはあと4年で考えていけたらいいですよ。

高梨 確かにね。幸いいろんな友達と楽しい活動というか、手伝うと喜んでもらえるようなことがあるから。続けていけば、もっと世界が広がりそうだとは思うんだよね。これまでは「やるべき仕事」としてだけやっていたから、大きなプロジェクトにつながることだけに領域が限定されたのが、幅が広がっている感じはする。とにかく昔より時間に余裕があるから(笑)。

紫乃ママ ずっと組織に従ってきた人は、自分の時間ができると何をすればいいか分からなくなったり、“求められてない感”を持ったりして自己肯定感が低くなっちゃう人が多い。頭を切り替えて、その隙間を埋めていくアクションを取れるのはすごいですよ。

高梨 暇が嫌いなだけですよ。人の役に立っている感じがしないのも嫌で。

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