自分好みの酒を判定
もう1つ、日本酒を扱うユニークなサブスクリプションサービスを紹介しよう。YUMMY SAKE(東京・台東)が21年10月から手がける「SAKEFLIGHT(サケフライト)」だ。
店頭では、日本酒の味について辛口、甘口など大まかな表現はされていても、「飲んでみるとイメージと違った」ということもあったのではないだろうか。
ヤミーサケではそもそも、日本酒の味覚判定サービスを提供している。独自のデータベースとブラインドテイスティングにより個々人の味覚を判定し、好みの日本酒を選びやすくするというものだ。SAKEFLIGHTでも、これを活用する。
初月は、サケタイプ診断キット3850円(消費税10%込み、送料無料)が送付されてくる。5種類の日本酒を飲み比べ、スマホのアプリに結果を入力すると、5つのタイプから好みを判定。
翌月以降は「ローカル定期便キット」(消費税10%込みで3300円、送料無料)として、好みに合った日本酒2種類のほか、お薦めの日本酒1種類とおつまみのセットが届く仕組みだ。
あえて1種類、好みとは異なるお酒とそれに合うおつまみを加えているのは、「サービスの継続促進や新たな好みの発見にもつなげたい」(ヤミーサケの中島琢郎チーフクリエイティブオフィサー)と考えているためだ。
ターゲットは、「好きな銘柄はいくつか挙げられるものの、自分好みの味を見つけられない」日本酒のライトファン層。特に20、30代の女性を取り込みたいと考えている。
こちらも、飲みきりを想定した100ミリリットルの小容量だ。「飲み過ぎなくていい」とユーザーに好評だ。最近は若い世代を中心に「翌日の体調を考え適量のお酒をたしなむ、スマートな楽しみ方を心がける人が増えている」(中島氏)からだろう。こうした点でも小容量は時代に合致していると言える。

ヤミーサケでは今後、ユーザーの好みなどデータを蓄積していくことで、レコメンド機能の拡充やデータに基づいた醸造までも視野に入れているという。
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