完全無人ホテル「mizuka(ミズカ)」。2017年に1号店をスタートした際はインバウンドを狙っていたが、新型コロナウイルス禍で売り上げが激減。一方で、デジタルが人々の生活に浸透し、“無人”への抵抗感はなくなった。この完全無人を実現するために考えられた緻密なオペレーションと拡大戦略に迫る。

 Hosty(ホスティ、福岡市)が運営するmizuka(ミズカ)は、スタッフが館内に1人も常駐していない“無人ホテル”だ。チェックインからチェックアウトまで、完全にオンラインで完結する仕組みになっている。現在、福岡県内に11棟を展開する。

 まず、チェックインは入り口のタブレット端末で顔認証、もしくは事前に通知されるIDを入力する。

(写真=林田大輔)
(写真=林田大輔)
ホテル入り口に設置されているタブレット端末でチェックイン(写真=林田大輔)
ホテル入り口に設置されているタブレット端末でチェックイン(写真=林田大輔)

 部屋のキーもオンラインで番号が発行される仕組みだ。ホテルの部屋に入室後、質問や要望がある場合は、室内に設置されているタブレット端末でスタッフとすぐにコンタクトをとることができる。

スタッフとのチャットのほか、直接会話がしたい場合は、すぐにビデオ通話を利用して話をすることもできる(写真=林田大輔)
スタッフとのチャットのほか、直接会話がしたい場合は、すぐにビデオ通話を利用して話をすることもできる(写真=林田大輔)
中洲の本部にスタッフが24時間待機。宿泊中に困ったことがあればすぐに対応してくれる(写真=林田大輔)
中洲の本部にスタッフが24時間待機。宿泊中に困ったことがあればすぐに対応してくれる(写真=林田大輔)

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