書店やギャラリー、能舞台も展開
新宿デイサービスが提供する一人一人のニーズに寄り添ったサービスの原点は、ホストクラブ運営にある。
「お客さん全員に同じサービスを提供するのはマニュアルサービス。個別のサービスを提供するのがプロフェッショナルサービス。当社では、以前からプロフェショナルサービスを軸に飲食業を展開してきました。今はさらに一歩進んで“主客一体”サービスを目指しています。お客様と一緒に考え、問題を解決していく。それはホストクラブも介護サービスも同じ。多角経営というよりは、横展開。同じサービスを別事業に応用しているイメージです」と手塚氏は説明する。もともと新宿・歌舞伎町でホストとして働いていた手塚氏は、2003年にホストクラブ「Smappa!」を立ち上げ、以来、経営者として歌舞伎町に根を下ろし、事業を展開してきた。
22年末時点で、同グループが運営するホストクラブは6店舗。ホストが握るすし店「へいらっしゃい」やバー「麦ノ音」など、飲食店を合わせると約20店舗にのぼり、美容サロン4店舗も運営する。
その他、17年にオープンした書店「歌舞伎町ブックセンター」や、18年の新宿デイサービス、20年のアートギャラリー「デカメロン」と、年々業態を広げている。22年には歌舞伎町の能舞台を購入し、運営を始めた。売り上げはグループ全体で二十数億円。
展開する事業の根幹はすべて、ホストクラブを原点とするプロフェショナルサービスであり、主客一体サービスなのだ。


ホストクラブで働くスタッフは、40歳を過ぎると、引退を考え始める人も多い。複数の業態を持ち、ホストたちのセカンドキャリアの受け皿にもしていきたいと手塚氏は考えている。
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