「憧れの人気企業の現実」が見られるインターンシップ

 もちろん、こんな入り口の「業界説明会」だけで採れるわけはありません。このあとどんな二の矢三の矢を繰り出すか。まあ、ご覧ください。ここから先も全て、現実にやっている企業がある話ばかりです。社名は明かせません。読んでもらえばその理由はすぐわかりますから(笑)。

 まず、このコバンザメ手法は徹底的に使えます。業界説明会で集まった学生に対して、クローズな連絡をして、以下のようなイベントに誘います。

1. (人気の)あの企業の秘密教えますセミナー
2. (人気の)あの企業に同行しませんかインターンシップ

 いずれも取引先大手の社名を出すのです。もちろん、サイトや紙媒体などに載せることはご法度です。メールも転送されるのが怖いなら、電話集客がイイでしょう。そして、「お友達も誘ってぜひ参加しよう」というのも忘れず。

 とりわけ、無名企業だとインターンシップを開催しても学生が集まらないという悩みが大きいでしょう。同時に、お金も人的余裕もないから、凝ったプログラムもなかなか作れません。なので、この「人気企業に同行するだけ」という簡単なインターンシップは、手軽で人が集まるキラーコンテンツとなるはずです。

「メガバンク比較セミナー」で集客に成功

 この話もセミナーでよくするのですが、「海老原さんの手法のまねをしたいが、うちの業界や取引先には人気企業が本当になくて」と悩んでいた企業が、名案を思い付いた話を1つ書いておきます。

 その会社は、3つのメガバンクから協調融資を受けていました。3社の社風や営業手法の違いをよく知っている。同業ではないけど、確かに「取引相手」ではあります。そして、メガバンクであれば、学生人気はことのほか高い。さらに言うと、メガバンクの会社説明は往々にしてイメージ重視で、実体がよくわかりません(説明会で、「海外でのプロジェクトファイナンス」などについて話す企業も多いのです。入社後にそんな花形業務に就ける人はほんの数%なのに……)。

 多くの学生は、銀行員が法人融資場面で、企業の経営者とどんな話をしているのか、全く想像がつきません。また、融資以外にも、保険や証券、為替などの金融商品の販売ノルマがあったり、融資の引き上げ業務があったりしますが、かなり生臭い話が多いため、決して就活場面ではこれらの詳細は語られない。だから、この企業の「メガバン比較セミナー」は人気が沸騰しました。

 こうして、3年夏休みまでに学生たち十数名としっかり関係を作り、その後は彼らを橋頭堡(きょうとうほ)として、次々に「サービス」を繰り広げます。たとえば、

・模擬面接会
・就活直前、決起集会
・就活中盤、慰め会

 こんな形で4年の夏休み前まで、関係を続けていけばいいのです。これを「大変だ」と考えるのではなく、若者と触れ合う楽しい機会だ、と思える企業は、採用に成功していくでしょう。ビジネス成功の鉄則「他と違うことをする」「顧客にサービスをする」を踏まえて、この流れを一言でまとめるとこうなります。

 「自社をアピールする」採用から、「学生を支援し伴走する」採用へ―。

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