ほとんどの学生は人気企業に受からないという当たり前の事実

 でもここで、こんな冷めた意見を言う人がいるかもしれませんね。

 「そりゃ、注目は浴びるし、集客もあるでしょう。でもね、けっきょく、来場した学生はお目当ての人気企業に応募するから意味ないじゃない」。

 いいえ。そこが間違いなのです。なぜなら、学生たちは確かにお目当ての人気企業に応募するのですが、その9割以上は落ちて、行き先に悩むときが来るのです。

 まず、統計的なことを書いておきます。毎年、人気ランキング100位に入るような有名企業にどれくらい学生が入っていると思いますか?私は以下のような推定法で過去20年以上概算値を出してきました。

・『就職四季報』(東洋経済新報社)には約1200社の人気企業が掲載され、そのうちの6割が「大卒総合職採用数」を掲載している
・人気上位100社の企業もほぼ網羅されているので、公開企業を集計して、その年の平均的な1社あたりの採用数を出す
・これを100倍して、人気100社の採用規模とする
・その数値は、氷河期で1万3000人、コロナ前の最盛期で3万5000人ほどである

 コロナ前はバブル期を抜き、史上最高の学生売り手市場と呼ばれました。それでも人気企業には3万5000人しか入れないのです。これは、大学新卒者(約55万人)のたった6%強にすぎません。ちなみに、東大・京大などの旧帝大と、早稲田・慶應という私学の二雄、つまり「なかなか入れない難関大学」の学年定員を足し合わせるともう4万人にもなります。そう、人気100社は好況期であったとしても、なかなか手が届かない存在だとお分かりいただけたでしょう。だから必然、志望者の圧倒的多数は落ちて、他を目指すことになる。その時に、自社にチャンスが巡ってくるのです。

「新卒で大手入社者は20万人超」という数字の裏側

 ここでも疑り深い人はこんな風に言うでしょう。

 「ちょっと待って下さい。世の中には人気100社以外にも超大手企業はいくらでもあるから、大手企業の採用総数はもっと多いのでは?」

 確かにその通り。厚生労働省の「雇用動向調査」を見ると、大手(従業員数1000名以上)の大学新卒採用者数が分かりますが、2015年度以降は20万人(院卒も含む)を超えています。卒業生の3割を超える大きな数ですね。ただし、以下の点を忘れないでください。

1. 人気ランクを見ても100位以下となると、知らない会社や、冠名しかわからない会社が大半となってくる
2. また、採用規模も小さくなり、数十名程度で多社に分散している

 こうした中で、上位校でもない学生は企業を選べなくなり、結局、「大手でテレビCMをやっている」大量採用企業に多々決まっていく。そう、そんな企業が大手の採用実績をかなり稼いでいるのです。

 さてここで考えてください。なぜ、テレビCMをやっているような大手企業が、そんなにも毎年大量採用をしているのか。そして、なぜ、上位校でもない一般大学生を多々採用しているのか――。理由は簡単です。大量に若手が辞めていく。そして、そんなに採用力がない。大手でもそんな企業があるのか?そう、いわゆるブラックなのでしょう。企業名こそ書きませんが、私はこうした会社の名前を数十社は挙げられます。善良な中堅・中小企業が本気で戦えば、彼らに盗られる学生をこちらに振り向けることはできるでしょう。だから真剣に、採用作戦を実施してほしいのです。

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