「セルフケア」は自分で自分を守るためのプログラムです。実は、当クリニックのリワークプログラムで実施している「セルフケア」には、再休職を防止するための様々な内容が含まれています。
うつを発症する原因となった病気とその治療法、必要な薬や生活習慣についての正しい知識を学ぶこと、自分の考え方の特徴を知ること、ストレス対策や疲労対策、不安との向き合い方、アサーションなどのコミュニケーションスキル、心理プログラムの認知行動療法……などです。
このように再休職を防止するための「自分で自分を守るセルフケアの知識やノウハウ」は、種類もレベルも多岐にわたります。
何度も再休職を繰り返している場合や、セルフケアについてしっかり学びたい、身に付けたいという場合は、医師や臨床心理士など専門家の指導の下でノウハウを学べるリワークプログラムを受けることをお勧めします。
さて、ここまで再休職予防について、対策例をご紹介してきました。
「会社に戻る」ことは「社会に戻る」ことであり、そこには業務だけでなく、個人同士が複雑に絡み合う人間関係があります。「周囲と信頼関係を築くこと」や「報告・連絡・相談」のほか、「協調性」や「忍耐力」など、様々な社会性が求められます。
苦手な上司や、面倒な取引先だってあるでしょう。そうした中で、いったん体調を崩した社員が、再び同じ環境に戻り、体調を維持して元気に働き続けるには、復職までに自分で自分を守るスキルや対策を身に付けることが必要なのです。
(構成/ふくいひろえ)
『職場復帰を支え、再休職を防ぐ! うつのリワークプログラム』
うつは自宅療養と服薬によって症状が回復します。でも、症状が消えて、通勤できる程度の回復では職場復帰には不十分です。なぜなら、休職しなければならなかった自分が持つ課題を克服するスキルを身に付けなければ、再び休職してしまう可能性が高いからです。
本書ではプログラムを経て復職した元うつ患者と、リワークプログラムを考え出した医師が、元患者の体験談も交えながら、プログラムの内容とその効果を、資料も提示しながら分かりやすい言葉で紹介しています。
[Human Capital Online 2019年10月29日掲載]情報は掲載時点のものです。
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