歴史上の英雄たちは、成功だけでなく数多くの失敗を経験しています。本コラムでは、歴史家・作家の加来耕三氏が、独自の視点で英雄たちの実像に迫り、現代に通じる教訓を浮かび上がらせます。失敗に学ぶ力、成功者が陥りがちな落とし穴、避けられない危機を最小限に食い止める対処法…。英雄たちの人生から、ビジネスパーソンにも役立つ成功と失敗の本質を読み解きます。(写真:Shutterstock)
シリーズ
加来耕三の「歴史の英雄に学ぶ成功と失敗の本質」

14回
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徳川家康の長男を切腹に追い込んだ四天王筆頭の酒井忠次
酒井忠次。徳川家康の義理の叔父である家康に近しい人物。だが、忠次の跡を継いだ彼の長子、家次は、家康が関八州に移封された際、本多正信と同様、3万石の領地しか与えられなかった。忠次も、家康の大切な重臣だったものの、彼にも暗い…
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石田三成に関ヶ原の戦いを決意させ、豊臣秀頼も滅ぼした本多正信
本多正信の後編。関ヶ原を仕掛けたのは実は正信だった。豊臣秀頼を追い込んだ「方広寺鐘銘事件」もそう。徳川家康の天下取りに尽くした正信だが、大きな失敗もあった。加来耕三氏が、家康が秀吉に関八州に移封されたのちからの、正信の後…
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徳川家康が自分の命を狙う一揆のリーダー本多正信を信頼したわけ
徳川家康を取り巻く武将たちについて加来耕三氏がまとめる。第1回は本多正信。武闘派の本多忠勝が目立って、正信については印象が薄いかもしれないが、実は、徳川幕府を打ち立て、軌道に乗せていく場面で数々の大きな活躍をした武将だっ…
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黒田官兵衛は、息子・長政をけなす毒親? 家康天下での賢者の晩年
黒田官兵衛の後を長政が継ぐ。その後、福岡藩を黒田家が代々治めることになる。天下人から恐れられた官兵衛が、自分の失敗を反省し、長政のことを上手にサポートしたことがその背景にある。加来耕三氏が、家康の時代になって以降の、官兵…
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黒田官兵衛は詐欺師だった? 秀吉の天下取り貢献後の冷や飯暮らし
戦国武将、黒田官兵衛。秀吉の天下取りに大きく貢献したにもかかわらず、晩年は秀吉に避けられ、活躍が見られなくなった。そこには、あの「殿、ご運が開けましたな」の一言だった。抜群の調略を成功させる彼は、詐欺師? それとも忠義者…
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創業者の妻=北条政子の悲哀 本当は子育てに専念したかった?
北条時政は尼将軍と呼ばれ、承久の乱の際、御家人達を奮い立たせた名演説は有名だ。実質的に4代鎌倉殿として権勢を振るった。だが加来耕三氏は、政子は、本当は悲劇の女性だったという。彼女が残した言葉には悲哀に満ちたものが多く残っ…
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誰も本名を知らない尼将軍…実は平家の出でもない北条政子
北条時政が決めた平家の嫁ぎ先から、源頼朝のもとへ駆け込んだ北条政子。尼将軍と呼ばれ、承久の乱の際、御家人達を奮い立たせた名演説は有名だ。一方で日本三大悪女の一人とも。だが加来耕三氏は、政子は、本当は悲劇の女性だったという…
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平清盛が父だと思っていた源義経!? 人の心が読めず悲劇の人に
判官贔屓(ほうがんびいき)の人には、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で描かれた義経に眉をひそめた方が多いかもしれない。とはいえ最後は悲劇の人に違いなかった。加来耕三氏は、義経が悲劇の人になった理由を、山賊に学んだ人の心を読め…
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実は平家打倒など考えていなかった源頼朝
700年続く武家政権の初代将軍となった源頼朝。大河ドラマも、頼朝は従来とは違う描き方をしているが、加来耕三氏も、頼朝の状況に応じたハッタリや覚悟、精神力を買う。さらに、短命に終わった平家政権と違い、鎌倉幕府はなぜ150年…
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伊達政宗の遣欧使節団は、家康を潰すための密使だった?
関ヶ原後も、天下取りの野望を失っていなかった伊達政宗。遣欧使節団は、その最後の手段だった? そんな彼が、ついに家康に頼られる日が来る。この日を迎えたのも、政宗の振る舞いが奏功する。政宗はなぜ、適切な行動を取れるのか、加来…
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秀吉と家康に最も警戒されていた「伊達政宗」
遅れてやって来た戦国武将、伊達政宗。天下取りの野望を持ち、秀吉や家康に警戒されていたが、長寿を全うし、徳川幕府三代将軍・家光の顧問ともいえる天下の重鎮に。ときの権力者とどう渡り合ったのか。加来耕三氏が、現代にも通じる身の…
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坂本龍馬の伝説はウソだらけ 「幕末に大活躍」は間違いだった
今回は幕末の志士の一人、坂本龍馬を取り上げます。小説やドラマにより、幕末維新の時期に大活躍したというイメージが広まっており、人気が高い人物です。しかし実際には、「その知名度ほどには日本史に影響を与えていなかった」と筆者の…
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家康追い詰めた真田幸村 最後の奮戦は死後の評価高めるPR活動?
現役時代、誰からも信頼されていなかった真田信繁(幸村)。ところが今では、戦国の三英傑にも負けない人気がある。なぜか。信繁の最後となる戦い、大坂夏の陣で敗れはしたが、その奮戦ぶりは多くの武将たちの目に焼きついた。最後に実績…
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本当は徳川家康と仲が良かった石田三成
戦国武将の中でビジネスパーソンに人気なのが、意外や石田三成。特に経営者層に人気が高い。「参謀に欲しい」と。私利私欲を持たず、主君のために適切な攻めと守りのシステムをつくり上げる才能がある。実は徳川家康とも仲が良かったとい…
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従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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