前回「失敗しないワーケーション 初心者が押さえておくべき3つの心得」では、旅先など非日常の場所に赴いて仕事をする方法を紹介しました。今回は選ばれているワーケーション宿の魅力について深掘りします。
「できることなら都会にはない自然の環境に身を置き、かつ仕事環境が整っている場所で働きたい……」。ワーケーション先を選ぶ際、多くの人が求める条件が「自然」と「仕事環境」ではないでしょうか。
ワーケーション歴9年目の筆者の場合、何度か実施するうちに、滞在先周辺の利便性、さらに自宅からのアクセスの良さなどが宿泊先の条件に加わりました。
近くにコンビニや飲食店が複数あると、生活の利便性が高くてうれしいもの。また自宅から1時間半以内で行ける場所であれば、金銭的にも物理的にも移動コストが下がり、ワーケーション先として選びやすくなりました。最初は自然環境を重視していても、何度かワーケーションを続けるうちに、利便性やアクセスの良さの重要度も上がってきたのです。
筆者の周囲にも、ワーケーションの回数を重ねるたび、自分にマッチするスタイルを確立させた人が大勢います。「できるだけ、人里離れた場所でゆっくりしたい」「温泉よりもサウナの有無のほうが重要」「移動が疲れるため、近郊でのワーケーションが好き」「住まいのある都心のホテルで十分」などと、自分なりの絶対条件や優先条件が見えてくるのです。
ここまで判断軸が定まっていけば、ワーケーション先選びに苦労することはないでしょう。ただ、ワーケーションの回数が少ない場合、その軸が分からずに、イメージ先行で行き先を選んでしまい、結果としてワーケーションを満喫できなかったと感じる人が少なくないようです。
では、どのような基準でワーケーション先を選べば良いのでしょうか。最初の一歩としてお勧めしたいのは、滞在先を起点とした行き先選びです。仕事を抱えて遠方に赴くのですから、仕事環境が整っているかは外せない条件です。とはいえ、その見分けがつかないという人もいるでしょう。不安な人は、専門のホテル予約サイトや、定額制宿泊サービスを利用するのが安心です。
例えば、「1週間のホテルワーク」を標榜する「Otell」は、ワーケーションに適した滞在先を見つけられる専門の宿泊施設検索サイト。仕事環境が整ったホテルや旅館しか登録できないため、現地で「仕事場がない」などと慌てる心配は不要です。
また定額制宿泊サービスの「HafH」や「ADDress」では、宿の検索時に「こもってお仕事集中宿」や「部屋にデスクチェアがある」などの選択肢があり、最初から仕事環境が整った滞在先を見つけ出せます。いずれも一般的なホテル予約サイトから選ぶよりも、ワーケーション向きの滞在先を選びやすく、最初の一歩をスムーズに踏み出せます。
とはいえ、そうした専門サイトでも、掲載宿が数百件と多く該当するケースがあります。ワーケーションスタイルが確立していない人にとっては、そこから滞在先を絞り込む「決め手」を見つけ出すのは難しいと言えるでしょう。
そこで今回、「自然が近い」「仕事環境が充実」「利便性が高い」「アクセスが良い」などの基準に加えて、ワーケーションの滞在先として選ばれている宿の特徴をリサーチしました。話を伺ったのは、Otellの事業責任者である富士茜音さん、HafHのAllince事業開発Managerである舘野和子さんです。
ここ最近の「ワーケーション宿」のトレンドについて、お二人の話から見えてきたのは、宿泊者の興味・関心に応じた特徴を明確に打ち出した宿こそが、「選ばれるワーケーション宿」だということでした。では具体的に、一歩先の特徴を打ち出した「選ばれているワーケーション宿」はどういった場所なのでしょうか。
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