成果出るのはまだ先

 ただ、再生支援がどこまで成功するかは見通せない。金融庁が昨年10月に地銀116社を対象に行った調査では、経営支援を手がけた2万7300の企業のうち、不良債権の債務者区分が上がったのは8.1%(2209件)に過ぎない。企業再生を多く手がけるオリックスのソリューション・プロジェクトチームの田中宏明バイスプレジデントは「(金融庁の調査に対して)債務者区分を上げる努力はする」という。ただ「単に借金を減らして財務体質を改善するのではなく、ある程度は時間をかけても安定的に利益を生む経営にするのが大切」とも話し、本格的な企業再生には数年が必要と指摘する。

 金融庁はリレーションシップバンキング行動計画の期間である2005年3月までは同様の調査を続けるが、その後は未定という。不良債権処理に目安がつき、金融庁の指導が一段落したら、再生支援への熱中が冷めるようでは意義は弱まる。再生が円滑に進んでいるかどうか新たな視点での検証も必要になるだろう。

(酒井 耕一)

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。

この記事はシリーズ「温故知新 いま読み直したいあの日経ビジネス」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。