関係会社への投資が急増

 下に示したのは、民間信用調査会社の帝国データバンクが作成したマイカルのキャッシュフロー計算書だ。個別企業の支払い能力を判定するため、単独のバランスシート(貸借対照表)と損益計算書を基に独自に算出したものだ。

 マイカルは連結キャッシュフロー計算書を2000年度(決算期末は2001年2月末)分しか公開していない。キャッシュフロー分析では過去数期分を見るのが理想だ。そこで今回は、2000年度までの3年分の単独キャッシュフロー計算書を基に分析する。

[画像のクリックで拡大表示]

 注目されるのは1999年度だ。営業活動の経常収支で示される営業キャッシュフローが127億円のマイナスになっている。これは営業活動でキャッシュを獲得できなかったことを意味している。そのため、借入金など財務活動で332億円を調達し、設備投資や負債返済に充てている。それでも、営業活動の支出分と投資活動の支出分を賄いきれず、手元資金を取り崩して対応した。

 営業活動でキャッシュを獲得できず、借入金など財務活動で賄っている状況は、経営不振企業によく見受けられる。この場合、前後の決算期を見て、一時的な現象かどうかを確かめる必要がある。

 そこで、マイカル破綻前の最後の通期決算となった2000年度のキャッシュフローを見てみよう。

 営業収入は前期に比べて減少したが、商品売上原価や販売管理費など営業支出を抑えたため、営業活動では353億円を獲得した。だが、貸付金や株式取得など関係会社支援の投資が膨らんだため、投資活動の支出は6118億円と急増し、借入金など財務活動で5884億円を調達して不足分を賄う形になった。

支払い延ばし、運転資金確保

 このような大きな借金を抱えてしまえば、せっかく営業活動でキャッシュを稼いでも焼け石に水になる。実際、2000年度のバランスシートを見ると、財務内容が悪化したことが分かる。短期支払い能力を示す流動比率(流動資産÷流動負債×100)は103.6%と、前の年度を15ポイント下回っている。

[画像のクリックで拡大表示]

次ページ 手元資金を取り崩したセガ