動画で紹介した商品が次々ヒットし、注目される“TikTok売れ”現象。日経トレンディが選ぶ「2021年ヒット商品ベスト30」のトップにも輝いた。本シリーズは、TikTokを活用して消費や流通の新たな形に挑む企業や個人にフォーカスした著書『TikTok ショート動画革命』(日経BP)の一部を抜粋、再編集してお届けする。

 初回は2021年に発売した美白ハミガキ「Lightee(ライティー)ハミガキ」のプロモーションで、TikTokを活用したライオンの取り組みを紹介しよう。

ライオンの美白ハミガキ「Lightee」。ミクロクレンジング処方により、歯の表面の微細なキズに残る着色汚れも除去する
ライオンの美白ハミガキ「Lightee」。ミクロクレンジング処方により、歯の表面の微細なキズに残る着色汚れも除去する
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 洗剤、石鹸(せっけん)、ハミガキから、化学品、医薬品まで手掛ける大手生活用品メーカーのライオンが、21年3月31日に新製品として発売したのが、美白ハミガキの「Lightee」。歯の表面にできるミクロなキズの汚れを徹底除去することで、〝光を反射する〟明るく白い歯に導くという商品だ。イメージキャラクターには、「美容意識が高い女性」として高い支持を集める中村アンを起用、テレビCMやウェブ広告を使って、「顔の印象は歯で変わる」というブランドメッセージを伝えていった。

オリジナルのブランドエフェクトを展開

 そしてさらなる起爆剤として、発売から約2カ月がたった6月13日から新たにTikTokでの広告展開をスタート。その際に活用したのが「ブランドエフェクト」だった。これは、ユーザーが投稿する動画に「目が大きくなる」「髪の毛の色が変わる」といった特殊効果をつけることができる機能だ。TikTokは広告メニューの1つとして、オリジナルのエフェクト作成を用意している。今回は「顔の印象は歯で変わる」ことをデジタル上にて疑似体験できるようにしたいというリクエストを受け、広告業務を担当するTikTok For Businessチームが、顔の一部などを最新テクノロジーによって変化させる独自のエフェクトを制作。それをTikTokユーザーが自由に使って楽しんでもらえるというものだ。

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