ヒト・モノ・カネを体系的に学ぶことができるビジネススクール。多くの社会人にとってビジネスを学べる場として重宝されています。そんなビジネススクールの中でも、ビジネスの創造や社会の変革に挑戦する高い志を持ったリーダーを多く世に出した グロービス経営大学院(MBA)

 その現役・実務家教員たちが、ビジネスパーソンに必須のビジネスフレームワークやマインドセットのコンテンツを月2回の予定でお届けします。初回のテーマはSWOT分析です。

 ビジネスに生かせる「型」、フレームワーク。フレームワークは、ビジネスパーソンなら知っておきたい基本的なものから、特別な状況下で効果を発揮するものまでさまざまなものが存在します。今回は、はじめの一歩として「SWOT分析」を解説します。SWOT分析は日本企業でもよく用いられる分析手法で、ミクロなサービスや個人、そして企業や国の分析にも使えるフレームワークです。そんな高い知名度を持ちながらも、実際に効果的に使いこなせる人は一握り。知らない人はしっかり学び、知っている人はぜひ自分の知識をアップデートしてみましょう。

SWOT分析とは

 SWOTは、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の英語の頭文字をとったものです。SWOT分析は、図1に示したように、「内部×外部」と「ポジティブ(好ましい傾向)×ネガティブ(好ましくない傾向)」という2つの軸のマトリクスを使って考えます。例えば内部要因(社内の要因)でポジティブなものは強み、外部要因(社外の要因)でネガティブなものは脅威、といった見方をします。このマトリクスを用い、企業を取り巻くさまざまな要因をいずれかのセルに書き出すことで、経営環境を見極めます。

図1
図1
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 外部要因として検討すべき要素には、マクロ環境や業界環境、市場・顧客や競合の環境などがあります。一方、内部要因は、いわゆる経営資源、つまり「ヒト・モノ・カネ・情報」の特徴や、ビジネスモデル(提供価値、利益方程式、業務プロセスなど)上の特徴などが当てはまります。

図2
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