BtoBビジネスにおいて「顧客の顧客」を知る必要性
BtoBのビジネスにおいて、単なるサプライヤーから脱却しいかに顧客企業と対等なパートナーとなることができるかは、多くの企業が抱える問題意識と言えるでしょう。単なるサプライヤーから脱却するためには、前述の事例のようにBtoBtoCという視点まで広げて考えることが有効です。
サプライヤーにとって顧客となる企業は、戦略を描くためにリソースも投入し、じっくり分析を行っていることでしょう。内部の人材で分析するだけでなく、外部のコンサルティングファームに依頼して、大掛かりなプロジェクトを行っている場合もあるでしょう。これらの分析で発生する情報量は膨大なものとなり、十分な検討の末に戦略の実行フェーズに入ります。その後、戦略実現の一つの手段としてサプライヤーに発注します。このとき、サプライヤー(自社)には、発注者(顧客企業)の依頼内容を忠実に実現することが求められます。
もし、顧客企業から発注を受ける前からサプライヤー(自社)が先回りして動き、顧客企業が行っているような分析を行い、問題の解決手段を提案できたらどうでしょうか。顧客は自社の提案に価値があると認め、単なるサプライヤーとしてではなく、戦略の実現を共に行うパートナーとして課題解決手段を委ねるのではないでしょうか。
BtoBビジネスにおける価値提供とは、顧客企業が考えていることをも自社が包括して考え、情報量及びスピードで顧客企業を上回りながら価値のある提案をしていくことであり、それがサプライヤー(自社)が成功するためのポイントなのです。
このように、BtoBビジネスでは、自社が顧客企業に価値提案するためにも、常に社会環境や生活者に生じる変化にアンテナを立て、その変化を起点としながら顧客にとって必要な提案を考えていきましょう。
まとめ:3Cが生かせる場面
3C分析について読んでみた結果、実践的に使える分析手法だとお分かりいただけたでしょうか。要点は、以下の2点です。
(1)自社の戦略を検討するため
3C分析は、シンプルで重要な3要素を扱うフレームワークであり、戦略を検討する際に必要な要素の網羅感がある分析ツールです。このフレームワークを使って自社の戦略を描くために、顧客や競合を含む自社の業界周辺をじっくり検討してください。
(2)顧客の戦略を検討するため(ひいては、自社の戦略を検討するため)
特にBtoBビジネスにおいては、BtoBtoCという捉え方が重要となります。自社にとっての顧客の成功が、結果として自社の成功につながります。従って、自社の業界周辺だけでなく、顧客業界の観点で3Cを捉え、最終的に5Cを検討した上で自社の戦略を検討してください。
ビジネスフレームワークは、基本を理解し、使いこなしてこそ、応用できるようになるものです。ぜひフレームワークを積極的に使いながら、自社に合わせた柔軟な使い方を探してみましょう。
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