成長戦略を描けるか

(写真=PIXTA)
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 最後の第3の矢が「成長戦略」。これについては、いまだ道半ばといわざるを得ない。

 総務省の労働力調査によれば、第2次安倍政権がスタートした12年12月の完全失業率(季節調整値)は4.3%。これが、この5月には2.6%まで低下(改善)。また、厚生労働省の一般職業紹介状況を見ると、12年12月の有効求人倍率は0.82倍。今年5月の有効求人倍率は1.24倍だから、雇用環境は明らかに良くなっている。

 では、何が問題なのか? 最大の問題は物価や金利、雇用環境の改善と連動して日本の平均賃金が上がらないことだ。先進国の中で最低レベルの伸びといわれる国内の賃金水準は、ほぼ30年間横ばい。

 GDPの半分以上を個人消費が占めるこの国で、賃金の上昇は必要条件だが、不安なく企業が従業員の賃金を引き上げる仕組みは未整備なままだ。それには、法人税などの税制なのか、賃金や国内資産の配分方法なのか、アベノミクスの「成長戦略」を引き継ぐだけの政策が要る。

 赤坂方面から見る国会議事堂の手前には、衆参両院議員の全事務所が同居する、インテリジェントビルに変貌を遂げた議員会館が並ぶ。今も昔のように議員や秘書たちがさまざまな情報を求めて、あの中を行き来しているのだろうか?

 「ここ数年で、安倍政権から菅政権、岸田政権に変わったでしょ。衆院選もあったし、参院選も終わった。事実上の総理大臣を決める自民党総裁選も加えると、本当に選挙が多かったわ」

 「次は……、岸田総理の自民党総裁の任期満了が24年9月。参議院の次の半数改選が25年7月、今の衆院議員の任期満了は25年10月だ」

  「ここから3年間、国政選挙がないかもしれないということは、岸田政権が長期化する可能性もあるわね。でも、3年は人の気持ちが変わりやすい単位とよく聞くわ」

 「3年目の……、昭和の時代に、確か演歌だかムード歌謡だかでヒットした曲があったな(苦笑)」

 衆参両院での連立与党の議席数と時間的優位性は、じっくりと経済政策を進める余裕をもたらす。政治家が選挙対策に多大な時間を奪われずに済むからだ。

 願わくはアベノミクスの成長戦略に次ぐ、いや、ますます変化の激しい次世代に向けた「成長戦略」の構築と実行で、世の「愛と経済」に潤いを与えてほしいものだ。

この記事はシリーズ「宗正彰の「愛と経済のキーワード」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。