かつての勢いを取り戻すのはいつ?

 自宅の窓から見える都心の高層ビル群。その直上を飛行する旅客機を見つめながら、思いついたように彼女が話し始めた。

「観光ビジネスは、外貨を稼ぐという意味では『輸出産業』と同じね。19年の訪日外国人の旅行消費額は4兆8113億円。これって……?」 

「自動車、化学製品に次いで、第3位の輸出額だよ。紛れもなく、観光ビジネスは日本の主要産業となりつつあるんだ」

「世界中の観光地の魅力をスマホでまさに手に取るように分かる時代だし、世界的にも有望なビジネスよね」

「コロナ禍前までの世界の旅行客数は14億6000万人、10年で1.5倍の伸びだ。短期間でここまで伸びる分野は貴重だ」

「ということで、私も世界経済に貢献すべく、海外旅行を再開しようかな。お土産は何がいい? 重いものは駄目よ。疲れるし、腕が太くなるから」

「今回も僕は留守番なんだ……。ずぶとくて尊敬するよ、その神経(苦笑)」

 6月からのインバウンド受け入れ再開。かつての勢いを取り戻すまでには少々時間がかかるだろうが、ここから先の日々の貴重な一歩になることは間違いない。

 願わくは海外からの旅行客が行き交う、いや、言葉と身体で触れ合えたあの日常に1日も早く戻ることで、世の「愛と経済」に潤いを与えてほしいものだ。

この記事はシリーズ「宗正彰の「愛と経済のキーワード」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。