為替の予想は難しい

 ワイングラスを片手にそんな数字を眺めながら、ふと思い出したように彼女が話し始めた。

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

 「保守的に感じる『想定為替レート』だけど、円安阻止で政府や日銀が何らかの手を打ってくる可能性もあるわよね? 『FX』を始めたらいろいろと探る癖もついちゃって」

 「円買いの為替介入、その前に『口先介入』という手もあるけど、今の状況だと一時的な結果に終わるかもね。市場の動きは市場に任せるのが大原則だし」

 「『口先介入』って、実際には円買い資金を投入しないのに、そろそろ介入するかもって言葉だけで、行動の伴わないアレでしょ? 私、そう簡単にはだまされないわよ」

 「え? ……それって政府や日銀? それとも俺のこと(苦笑&汗)」

 為替の予想は、プロフェッショナルであっても難しい。だが、上がるか下がるかの2択のせいか、初心者でも割と予想が当たる……。そう、錯覚する人が多いのも事実。

 しかし、永遠に当たり続ける人は、過去も未来もいないのが為替市場。

 願わくは人の手を介することなく、いや、為替の市場原理だけで機動的に変化しながら、世の「愛と経済」に潤いを与えてほしいものだ。

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。

この記事はシリーズ「宗正彰の「愛と経済のキーワード」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。