世界の目がロシアに…

 例年以上の厳しい寒さと、またしても外出自粛を余儀なくされた今年の冬。すっかり冷え切った心身を北京冬季オリンピックの日本人選手たちの活躍で温めた人も多いことだろう。

「同じ都市で夏と冬のオリンピックが開かれるのは、北京が初めてなんだよ」
「夏のオリンピックは最近だったような気が……。あれはいつだったっけ?」
「14年前、2008年の夏だよ。割と前だよ」

 こんな会話を交わしながら、世界を代表する選手たちの競技を楽しんだ2人もいたかもしれない。

 競技以外で気になることも多かった今回の北京冬季オリンピック。開幕式などで随所に垣間見える、今や世界をリードする中国の先端技術の強大なパワーと、3000年とも4000年ともいわれる悠久の中国の歴史観が織りなす冬のスポーツの祭典に不思議な感覚を覚えた。やはり、オリンピックが持つ発信力は強烈で興味深い。

 それこそ中国らしいといえば中国らしい幕開けだった。

 過去のドーピング問題の影響もあって、国ではなくオリンピック委員会の代表として自国の選手を送り出したロシア。そのロシアのプーチン大統領はオリンピックの開幕式に先立って北京を訪問、中国の習近平国家主席とのトップ会談を実現した。

 その後、オリンピックの盛り上がりと同時並行で、日々、緊迫を増したウクライナ情勢。くすぶり続けていたこの「地政学リスク」の表面化に、何も今このタイミングで、と感じた人も少なくないはずだ。私もその1人。おかげで競技観戦に集中できない日々が続いてしまった。

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