両国の友情を願ってデザインされた店内

 店内は清潔感のある白をベースに温かみのある木製テーブルといすが置かれており、壁面側にはソファ席を配置している。左右の壁面には、ウクライナの国旗をモチーフにした青と黄色のボードと、日本の日の丸をモチーフにした赤のボードが飾られている。日本とウクライナの融合および、両国の友情を願ってデザインされたそうだ。

白をベースにした店内。内装のガラス周辺に雪や白い枝の装飾が施され、夜はライトアップされる
白をベースにした店内。内装のガラス周辺に雪や白い枝の装飾が施され、夜はライトアップされる
店内に入り、右手に見える壁面にはウクライナの国旗カラーが描かれておりランチやティーのメニューなどが明記されている
店内に入り、右手に見える壁面にはウクライナの国旗カラーが描かれておりランチやティーのメニューなどが明記されている
店内に入って左側壁面には、日本の国旗カラーが描かれ、情報ボードとして、ウクライナ周辺の地図をはじめドリンクメニューやワイン情報なども描かれている
店内に入って左側壁面には、日本の国旗カラーが描かれ、情報ボードとして、ウクライナ周辺の地図をはじめドリンクメニューやワイン情報なども描かれている

 料理の味は、来店客の大半を占める日本人の口に合わせる工夫もしている。京都にある老舗ホテル内の日本料理屋のレシピ提供を受け、ウクライナ料理に和食テイストを取り入れた、ウクライナ料理と和食のフュージョン料理になっている。

 人気のランチメニューは「キーウ風カツレツ丼」。食べやすいひと口サイズのカツの中から、ウクライナ定番のハーブであるディルとバター、にんにくを混ぜ込んだスープがあふれ出る。ご飯の上にカツが4つ乗っており、キャベツの千切りととうもろこしを彩りで添えた。

カツの切り口から、ディルとバター、にんにくを混ぜ込んだスープがあふれ出る「キーウ風カツレツ丼」。さっぱりしていて大変美味
カツの切り口から、ディルとバター、にんにくを混ぜ込んだスープがあふれ出る「キーウ風カツレツ丼」。さっぱりしていて大変美味
「キーウ風カツレツ丼」に、「和風ボルシチ」、ボルシチにも使われている地中海原産の野菜ビーツを使用した「ビーツのミニサラダ」が付いて1200円(以下、価格は全て税込み)。1日平均で20食提供している。「鮭と野菜のウクライナ風スープ」(1200円)も、体に染み渡る優しい味付けで好評だ。このメニューには「ビーツのミニサラダ」と「ウクライナの黒パン」が付いてくる。
「キーウ風カツレツ丼」に、「和風ボルシチ」、ボルシチにも使われている地中海原産の野菜ビーツを使用した「ビーツのミニサラダ」が付いて1200円(以下、価格は全て税込み)。1日平均で20食提供している。「鮭と野菜のウクライナ風スープ」(1200円)も、体に染み渡る優しい味付けで好評だ。このメニューには「ビーツのミニサラダ」と「ウクライナの黒パン」が付いてくる。
「鮭と野菜のウクライナ風スープ」。仕入れ値が上がっているさけだが、うまいウクライナ風スープを作るためには欠かせない
「鮭と野菜のウクライナ風スープ」。仕入れ値が上がっているさけだが、うまいウクライナ風スープを作るためには欠かせない

 ウクライナのパンは日本の柔らかいパンとは違い、硬い歯ごたえのものが主流。「ウクライナの黒パン」は、キーウから愛知県安城市に避難してきた夫婦が、避難先で人気のベーカリーショップ「パンのトラ安城店」の呼びかけを受けてアドバイスし、商品化につながったそうだ。「スマチノーゴ」のオーナーは、「ウクライナの黒パン」の売り上げがウクライナ支援に寄付されると聞き、自店でも取り扱うことを決めた。

ライ麦が原料のちょっと硬めの食パン「ウクライナの黒パン」は、ウクライナで親しまれているふるさとの味だそうだ
ライ麦が原料のちょっと硬めの食パン「ウクライナの黒パン」は、ウクライナで親しまれているふるさとの味だそうだ

 なぜウクライナ料理店「スマチノーゴ」を出店したのか。オーナーのTAKANE氏に話を伺った。

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