最初の緊急事態宣言が発出された時はどんな状況だったか。

小布施萌氏(以下、小布施氏):緊急事態宣言の発令が可能となる改正特別措置法が決まった20年3月、すぐにホテルとして宿泊・宴会・サービス・企画営業など各部門の責任者が集まり緊急会議を開き、今後の対応を検討した。

マーケティング課広報担当の小布施萌さん
マーケティング課広報担当の小布施萌さん

その頃、宿泊のお客さまはどんな状況だったか。

小布施氏:外国人のお客さまはほぼいらっしゃらず、日本人のお客さまもビジネス、レジャーともに多くのキャンセルのご連絡を頂くことになった。

緊急事態宣言解除後に営業再開したと思うが、その間の休業中はどんな準備をしたか。

小布施氏:まずはビュッフェレストランとしての営業スタイルの見直しを行った。ビュッフェの楽しさを残しつつも、感染症対策を徹底した「フードプレゼンテーション」の実施を急いだ。具体的には、料理コーナーでのお客さまの導線整備や、フィジカルディスタンスの呼びかけなど、安心してご利用いただけるように努めた。

料理コーナーには導線を設け、距離を保つようにお願いする告知ボードも掲示している
料理コーナーには導線を設け、距離を保つようにお願いする告知ボードも掲示している

「マイトング」式など、新しい生活様式に対応したビュッフェ

小布施氏:店内では座席数を制限することでフィジカルディスタンスを確保し、ご案内している。また入店の際には全てのお客さまに、非接触型検温器による検温、手指の消毒のご協力とマスクの着用をお願いしている。トングをご利用いただくエリアでは、お一人さまにつき1つトングをお渡しし、使用後は都度高温洗浄をかけておりますので、安心してご利用いただける。

保温系料理はテーブルスプーンをご用意
保温系料理はテーブルスプーンをご用意

小布施氏:お客さまの来場が同じ時間帯に集中しないように入店者数の制限や入店時間のコントロールを実施した。

どういった企画を行ったか。

 昨年8月、東京都は新型コロナウイルス感染拡大に伴い、夏の間の帰省・旅行自粛を呼びかけた。お盆の帰省に代わり、都内にいながら全国のご当地グルメを好きなだけ楽しめる『STAY TOKYO + EAT JAPAN~東京で楽しむ、ふるさとの味~』を開催した。北海道産のいくらをふんだんに使った北海いくら丼をはじめ、博多めんたいこクリームパスタ、山口県産の薫製ふぐ&薫製鯖(さば)寿司、鹿児島県産肉厚黒豚カツサンド、岩手県産菜彩鶏、鳥取和牛鉄板焼きしゃぶなど文字通り、全国のご当地グルメが集まって大好評を得た。好評のため2回の延長を決めた。さらに新たなご当地メニューを追加し、11月29日まで延長開催した。2021年もご当地グルメの内容を入れ替え、『STAY TOKYO + EAT JAPAN~東京で楽しむ、ふるさとの味~』は今現在も開催している。

コロナ禍を振り返っていちばんの印象に残ったことは。

 2020年7月10日の営業再開に向けて、試行錯誤を重ねながら何度もテストを行いながら準備を進めた。その作り上げた新しいスタイルが、ビュッフェを安心して楽しんでいただけることにつながったことだ。

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