ハンバーグが1番おいしい瞬間
今、ちまたにあるさまざまな人気行列飲食店よりもさらに入店困難といわれている大人気の「挽肉と米 渋谷」。同店を運営する俺カンパニーの山本昇平代表取締役(以下、山本氏)にお話を伺った。

「挽肉と米」が大人気だが、まずこのスタイルを考えた出発点は何だったのか。
山本氏:「山本のハンバーグ」は、お客さまに楽しんでいただけるように工夫をして他にはない個性を持たせた商品づくりをしてきた。10年ほどやった頃、ふと、「ハンバーグは昔のスタイルのまま今も愛され続けている」ということに気づいた。
付け合わせなどは、おいしく食べていただく工夫や見た目のおいしさを演出するためのものだが、食べずに残されることもある。お客さまにとっては好みではなかったということだ。シンプルに好きなものだけを提供してあげることで、リーズナブルな商品とすることはできないだろうかと考えた。さらに食材が一番おいしい瞬間は厨房の中にあるけど、お客さまへ提供できていないこともある。
例えば、オーブンから出したてのジュージューな状態のハンバーグや、炊きたてのご飯など。当たり前のことで、テーブルに届いた時でももちろん「出来たて」なのだが、もっと「出来たて」を提供できないか、と考えるようになった。そこで、手間暇かけて個性を加えるスタイルの山本のハンバーグとは真逆で、お客さまがハンバーグに期待するものだけに絞って、「必要なものだけを、出来たての瞬間だけを」提供できる店として、考え抜いた結果、「挽肉と米」となった。
なるほど。余計なモノを徹底的に排除することで1500円という最強のコスパにもたどり着いた。ハンバーグを3つに分けた理由は何か。
山本氏:ハンバーグが1番おいしく感じるのは焼きたてを食べた瞬間。ならば最初から最後まで焼きたてを食べてもらおうと90gのハンバークにして3つに分けた。常に焼きたてを食べてもらうためのスタイルだ。

素晴らしいアイデアだ。焼きたてのうまさに勝るものはない。それは新鮮な挽肉の証しである挽きたてや、ご飯の炊きたてと共にこだわりの3つの「~たて」にもつながる。現在、営業時間が昼の部午前11時からの4時間、夜の部午後5時からの4時間、合計8時間だが、どのくらいの人数のお客さまを受け付けているのか。
山本氏:おかげさまで連日満席が続いており、感謝しかない。現在、昼の部で130人、夜の部で120人受け付けている。夜の部で人数が少し減るのは、お酒を飲む方が増えるので昼の部より滞店時間が少しだけ長いためだ。
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