緊急事態宣言など新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限なしでの大型連休が終了。全国主要駅や観光地の5月3~5日の人出は、昨年や一昨年より大幅に増えたことが、携帯電話の位置情報からの推計で判明した。また国内旅行者数は前年同期比68.4%増の1600万人、2019年比では43.4%減になる見込みである。コロナ禍前の19年の水準には戻っていないが、ゴールデンウイークでは回復の兆しを見せた。主要都市や観光地での飲食店もそれに伴い、おおむね好調だったようだ。あとはこの人手による反動で感染者が急増しないことを祈るばかりだ。

 読者諸氏は「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」という飲食店をご存じであろうか。ミシュラン星付き級のすご腕シェフたちによる、フォアグラ、トリュフ、伊勢エビなど最高食材を惜しみなく使った料理を高級店の3分の1というリーズナブルな価格で提供する。オープン当時は大きな話題となり、いずれの店舗も行列ができる人気店となった。当初は食材原価率が60%を超えても1日3回転で繁盛店の利益を実現するために、立食メインであった。しかしおいしい料理は座って食べたいという要望が多かったため、着席スタイルへ移行。業態もイタリアンやフレンチに始まり、イタリアンとフレンチの複合店(青山店)、スパニッシュ、焼き鳥、焼き肉、割烹(かっぽう)、おでん、そば、ベーカリーなどさまざまなジャンルの飲食店を拡大展開していった。運営は、俺の(東京・銀座)。

 さかのぼることコロナ禍以前の18年9月、大手町に旗艦店で初のステーキハウス「俺のGrill(グリル)東京」がベーカリー店併設でオープンした。順調に売り上げは推移していたが、20年4月に新型コロナウイルスが直撃。昨年21年7月に「俺のフレンチ」のトップブランドとして、「Grand Maison ORENO(グランメゾン オレノ)by 俺のフレンチ」(以下、ORENO)として再スタートを切ることになった。なぜ業態を変更したのか、どんな理由なのか、そして勝算はあったのか。またこの厳しいコロナ禍をどのようにして乗り越えていったのか、スポットを当ててみた。

 政府系金融機関やメガバンク、商社など多くの大手上場企業が本社を構える東京・大手町。そのど真ん中に産経新聞、サンケイスポーツ、夕刊フジなどを擁する産経新聞東京本社が入っている東京サンケイビルがある。「ORENO」は、そのビルの地下2階から地下1階にかけて吹き抜けで店舗を構える。丸ノ内線、半蔵門線、千代田線、東西線、都営三田線と5つの地下鉄路線が乗り入れており、「大手町駅」A4出口直結。ビジネス会食やハレの日に、分かりやすくて行きやすい最適な場所といえよう。

 同店はグループでも屈指の人気を誇る「俺のフレンチ」のトップブランドとして位置づける。「ミシュラン星付きレストランを経験した料理人が高級食材を惜しみなく使った料理を圧倒的なコストパフォーマンスで提供する」という、俺のフレンチの基本コンセプトはそのまま踏襲し、それに贅沢(ぜいたく)な空間と最大級のおもてなしを組み合わせた旗艦店的な店舗だ。

スタイリッシュで開放感がある店内。全ての席から中央のステージが見える劇場型の造りで、フロア段差をうまく活用している
スタイリッシュで開放感がある店内。全ての席から中央のステージが見える劇場型の造りで、フロア段差をうまく活用している

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