それは素晴らしい。大変大きな後押しだ。俺のシリーズ店舗がいかにたくさんのファンから愛され、支えられているかがよく分かる。リターンの一つが、オレンジ色のファサードデコレーションにあると聞いた。どういうことか。

長谷川氏: 1万円のご支援のリターンに「俺のサポーター募集!『感謝』の食パンと店内にお名前を掲示」があり、12人の方が支援してくださった。店内にお名前をカッコ良く掲示する手段として、ファサードデコレーションに置くディスプレーボトルにお名前を入れさせていただいた。また大きく応援してくださった皆さんのお名前も入れさせていただいた。この全てのボトルは、皆さんからの応援の気持ちと絆の証しとなった。

ORENOの内装のアクセントにもなっているオレンジ色のファサードデコレーション。自分の名前が入ったボトルがいつまでもカッコ良く置かれているのはうれしいものだ
ORENOの内装のアクセントにもなっているオレンジ色のファサードデコレーション。自分の名前が入ったボトルがいつまでもカッコ良く置かれているのはうれしいものだ

巻き返しの武器は“イーターテイメント”

ORENOが今後打ち出す、他のレストランとは一番大きく違うモノは何か。

長谷川氏:ズバリ、「Eatertainment(イーターテイメント)」だ。イーターテイメントとは、「Eat(イート)」と、遊び・おもてなしの「Entertainment(エンターテインメント)」を掛け合わせた造語だ。ディナー時に、ピアノやバイオリンなどで食事をより快適かつ心地良くしてくれるBGMを演奏する。

 またコース・グランメゾンに入っている燃え盛る炎のフランベ・スイーツを調理するときは、音楽に合わせて調理し、300インチモニターに映し出す。映像と音楽と連動したライブクッキングで、いつの間にか華やかなショーを見ている気分にさせる。

フランベは、アルコール度数の高い酒をフライパンの中に落とし、一気にアルコール分を飛ばす調理法のこと。新鮮なフルーツがこの後、フランベ・スイーツに変わる
フランベは、アルコール度数の高い酒をフライパンの中に落とし、一気にアルコール分を飛ばす調理法のこと。新鮮なフルーツがこの後、フランベ・スイーツに変わる
300インチの大型モニターにも調理の模様を映し出し、ライブ感を盛り上げる
300インチの大型モニターにも調理の模様を映し出し、ライブ感を盛り上げる
長谷川氏が行う燃え盛る炎のフランベ・スイーツこそ、まさにイーターテイメント。炎が分かるように照明を暗めにする演出も
長谷川氏が行う燃え盛る炎のフランベ・スイーツこそ、まさにイーターテイメント。炎が分かるように照明を暗めにする演出も
イーターテイメントのショーで出来上がったフランベ・スイーツ。その味も格別だ
イーターテイメントのショーで出来上がったフランベ・スイーツ。その味も格別だ

最後に、最大10連休という行動制限なしのゴールデンウイークが終わった。「ORENO」はどうだったか。

長谷川氏:おかげさまでゴールデンウイーク中は、ランチもディナーも連日満席になった。皆さん、ハレの日のレストランとして使ってくださった。「ORENO」がオープンしてから地道にやってきた味やサービス、付加価値で武器でもあるイーターテイメントが広がり、評価され、口コミでも広がったのだろう。

 またオープン当初は、「Grand Maison ORENO 」の店名でやっていたが、アルファベット表記では俺のシリーズの店舗として伝わりにくく、「Grand Maison ORENO by俺のフレンチ」と“俺のフレンチ”表記を加えたら一気にお客様が増えた。働いている自分たち以上に、お客様は俺のシリーズに対してブランディングパワーを感じてくださっているのだと思えた。

取材を終えて

 筆者自身も銀座にある「俺のイタリアン東京」や「俺のフレンチ東京」など大型店舗にも訪れたことがあるが、大手町の「ORENO」は天井高や空間の造りが規格外で、店内に入っただけでワクワクさせてくれる魅力があふれている店舗だった。演出照明やレーザー光線などを足せば、ディスコやクラブスタイルのパーティーもできるであろう。店舗としての底力はもちろんだが、ハコとしても大いなる可能性を感じさせる。少しずつ再開しているラグジュアリーブランドのパーティー会場として使うのもお勧めかもしれない。

 またイーターテイメントは、まさに食と音楽との融合といえるだろう。卒業した元宝塚歌劇団や元劇団四季のメンバーによる貸し切りイベントも開催して大いに盛り上がったと聞いた。コロナ禍中の今はまだ難しいかもしれないが、いずれコロナが収束したらアーティストや歌手の生歌ライブや、たくさんのダンサーを入れてのゴージャスなショーなど、イーターテイメントへの夢は、まだまだ広がるばかりだ。

この記事はシリーズ「負けない外食」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。