ゴールデンウイーク中、観光地を含め都内の有名エリアには多くの人たちが押し寄せて、久々に多くの飲食店は活況だったようだ。やはり人がたくさん動かないと、飲食店の売り上げは上がらない。「withコロナ」の次のステージとして、「そろそろ新型コロナウイルスを、インフルエンザの仲間入りにさせたらいいのではないか」という声さえ聞こえ出す。

 さて今回は洋食店を紹介しよう。お気づきの人もいるかもしれないが、実は「負けない外食」連載で洋食店を紹介するのは初めてだ。

 洋食店といえば、小さい頃、少しだけいつもよりおめかしをして、親に連れられて、目玉焼きをのせたハンバーグやタルタルソースがかかった海老フライなどの「ごちそう」を食べた思い出がある人も少なくないだろう。洋食店には、いつの時代もそんな懐かしさと、どこかホッとさせてくれる雰囲気があるものだ。

 スポットを当てるのが、ピーク時には行列もできる広尾にある人気洋食店「麻布笄軒(あざぶこうがいけん)広尾本店」。オープンが2015年。運営はYクリエイト(東京・港)。麻布笄軒としては中目黒や池袋と3店舗を展開、他の飲食店を含めて8店舗を運営する。名物の「とろとろ玉子のオムハヤシ」(1540円、以下、価格は全て税込み)が「ミシュランガイド東京2017」のビブグルマン(リーズナブルでコスパの良いお薦めの店)を受賞しているまさに実力店だ。そんな「麻布笄軒 広尾本店」はどのようにして、この新型コロナウイルス禍に立ち向かい、乗り越えていったのであろうか。

「麻布笄軒 広尾本店」外観
「麻布笄軒 広尾本店」外観

 大使館や高級マンションが立ち並ぶ日本屈指の高級住宅街である広尾。セレブリティが通う高級ショップや輸入食品を多く取り扱う高級スーパーが点在し、欧米人を含む富裕層の街のイメージが強い。その半面、広尾商店街など古き良き時代から残る街並みや緑あふれる有栖川宮記念公園もあり、温かみもある魅力的な街ともいえよう。

 同店は、そんな広尾から西麻布方面に向かう外苑西通りから少し左に入った住宅街にある。街の洋食店というよりは、広尾の街にふさわしい“こじゃれた洋食屋”というイメージだ。

 少し階段で上がると上質なレンガ造りの入り口にたどり着く。赤の店名ボードが印象的だ。ロゴデザインのこだわりは、“ハチ公”や“恵比寿さま”などのイラストがさりげなく入っているところ。店内は白と茶を基調とした落ち着きがあるアンティーク調である。テーブルやイスはゆったりと配置されており、心地よく食事を楽しめる。黒板にはおすすめの一品や持ち帰りデザートなどが書かれ、ショーケースには話題のバスクチーズケーキなどスイーツが並ぶ。食後に、母親と子どもやカップル客がどれにしようかとうれしそうにのぞき込む光景がほほ笑ましい。

店内は15坪、20席と決して大きくはないが、居心地が良く、落ち着けるのがいい。お一人様ならキッチンの様子が見えるカウンター席がおすすめ。料理が出てくるまでワクワク感が楽しめる
店内は15坪、20席と決して大きくはないが、居心地が良く、落ち着けるのがいい。お一人様ならキッチンの様子が見えるカウンター席がおすすめ。料理が出てくるまでワクワク感が楽しめる

ハンバーグメニューが人気

 おすすめ料理は、同店の一番人気の洋食プレート(2550円)。自家製ハンバーグにデミグラスソースがたっぷりかかっており、プリッとした食感の海老フライや目玉焼きがセットになっている。

 上にのっている目玉焼きごとハンバーグにフォークを入れると、肉汁があふれ出し、流れ出る黄身と混ざり合う。ライスが止まらなくなるおいしさだ。これぞ洋食店の鉄板の組み合わせで、初めての来店ではまずはこのメニューから食べてみてほしい。ライスと共にペロリとたいらげられるはず。

 またチーズ、ベーコン、目玉焼きを乗せた「笄軒ハンバーグステーキ」(2450円)や「オムライス」(1210円)、「ポークカツカレー」(1550円)、「カニクリームコロッケ」(2個、1800円)などオーソドックスな洋食メニューも充実だ。

人気の「洋食プレート」(2550円)。肉厚でジューシーなハンバーグは、牛肉と豚肉の合いびきでクセになるおいしさだ。目玉焼きとの相性も良し
人気の「洋食プレート」(2550円)。肉厚でジューシーなハンバーグは、牛肉と豚肉の合いびきでクセになるおいしさだ。目玉焼きとの相性も良し

次ページ 技ありの一品 オムレツの中から和風タラスパ