ネームプレートの下に「マスクの下は笑顔です」というメッセージとともに笑顔の写真が入ったもう一枚のプレートが印象的だ。

小松崎氏:マスク着用で接客しないといけない今、口元が隠れていて笑顔が伝わりにくいので、「喜多方ラーメン坂内」のおもてなしの一環として行っている。

 いらしていただいたお客様一人一人が、温かい気持ちになれるサービスを行っていきたい。また外国人スタッフは、いま故郷に帰りたくても帰れないので家族のような気持ちで接して、大手町店を盛り上げていきたい。おいしい喜多方ラーメンを食べにいらしてほしい。

■取材を終えて

 長引くコロナ禍は、人気ラーメン店をも直撃した。しかし、他の飲食店カテゴリーよりも被害が少なかったのは、回転率が高い業態なのと、アルコールなどビバレッジが全体の売り上げに対して占める割合がさほど大きくなかったことがいえるだろう。それは現在、発出されているまん延防止等重点措置に合わせて、「喜多方ラーメン坂内」の直営店は、アルコール提供を停止していることからも分かる。

 中小企業庁のデータによると、創業したラーメン店は1年以内に4割が、3年以内に7割が閉店するともいわれている。生き残りに苦戦するそんな超激戦区のラーメン業界において、閉店する店舗があっても新たに開店する店舗がある「喜多方ラーメン坂内」の底力に、ただただ脱帽するばかりだ。

 「坂内食堂」が創業して64年。「喜多方ラーメン坂内」が創業して33年。長く愛され続ける店にはかならず理由がある。たった一杯のラーメンが至福の時を与えてくれる。シンプルだけど断然にうまい、体も心も温めてくれる喜多方ラーメンを味わって、ほっとした気分になりたいものだ。

この記事はシリーズ「負けない外食」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。